2025.09.09

イベントマーケティング入門!メリット・デメリット・成功のポイントまで解説

イベントマーケティングは、BtoBでリード獲得や顧客育成に活用できるとても頼もしい手段です。 ただ、「どんな種類のイベントがあって」「どんな効果が期待できるのか」は、初めてだとイメージしにくいものですよね。

そこでこの記事では、初心者でもわかるように、イベントマーケティングで得られるメリットや代表的な手法、成功のポイントをまとめました。
この記事を読めば、自社でイベントを企画・運営するときに具体的なイメージを持ちながら取り組めるようになります。

イベントマーケティングとは

イベントマーケティングの定義

イベントマーケティングとは、セミナーや展示会、ウェビナーなどのイベントを通じて、顧客との接点を持ち、認知拡大やリード獲得、関係性構築につなげるマーケティング手法です。

広告やメールのような一方的な情報発信ではなく、双方向でコミュニケーションできる点が大きな特徴です。

広告やWebマーケティングとの違い

従来の広告やWebマーケティングは情報を届けるだけですが、イベントは参加者に体験を提供できます。例えば、製品デモや体験型のワークショップでは、実際に使ってみることで理解が深まり、導入検討の後押しになります。

体験型の接点が作れる点がイベントならではの強みです。

イベントマーケティングの目的

イベントマーケティングを始めるうえで、まず大切なのは「何のためにやるのか」を明確にすることです。ここでは、イベントマーケティングの目的を整理してみましょう。

認知拡大

イベントを開くと、自社やサービスの存在をターゲット層に自然に知ってもらえます。特にBtoBでは、「この会社はこの分野に詳しい」という印象を与えることが重要です。

たとえば、セミナーやカンファレンスで実際の事例やノウハウを紹介すると、参加者に専門性や信頼感を感じてもらいやすくなります。

リード獲得

イベントに参加する人は、すでにテーマや業界に関心を持っています。だからこそ、見込み度の高いリードを効率よく獲得できるのが大きなメリットです。

展示会やウェビナーでは、参加登録時に名前や会社情報を取得できるので、その後の営業やフォローアップにも活用できます。さらに、参加者がどのセッションに興味を持ったかなどのデータも得られるため、次のアプローチを考えるヒントにもなります。

顧客育成・関係性強化

イベントは、既存顧客や見込み顧客との接点を増やし、信頼関係を育む場にもなります。ワークショップやユーザー交流会では、参加者同士の意見交換や情報共有も生まれるので、自然にコミュニティが形成されます。

また、直接話を聞くことで顧客の課題やニーズを理解でき、より深い関係づくりにつながります。

新しい提案や導入機会の創出

イベントは、既存顧客に新しいサービスを紹介したり、追加提案のチャンスを作る場にもなります。実際に体験してもらったり、他社事例を共有することで、顧客が自社サービスの価値を実感できる場を提供できるのがポイントです。

イベントマーケティングのメリット

イベントマーケティングには、他のマーケティング施策では得にくい独自の強みがあります。ここでは、代表的なメリットを整理して紹介します。

新規リードを効率的に獲得できる

イベントに参加する人は、すでにそのテーマや業界に関心を持っています。そのため広告やメールに比べ、見込み度の高いリードと直接出会えるのが大きな特徴です。参加登録の時点で顧客情報を取得できるので、その後の営業やマーケティング活動につなげやすいメリットもあります。

顧客との信頼関係を築きやすい

一方的な広告やWeb記事と違い、イベントでは双方向のコミュニケーションが可能です。講演後の質疑応答や、交流会での会話を通じて、参加者は「企業の顔」が見えやすくなります。結果として信頼感や親近感が生まれ、商談につながる可能性も高まります。

ブランド認知・専門性の訴求に強い

セミナーやカンファレンスを主催することで、業界内での存在感や専門性を示すことができます。特にBtoB領域では「どの会社から買うか」を判断する材料として、その会社が信頼できるかどうかが重要です。イベントはその「安心感」を提供できる場として有効です。

顧客理解を深められる

イベントではアンケート回答や行動データ(参加セッション、滞在時間など)が得られます。これらは顧客の関心領域を把握するヒントになり、今後の営業アプローチやマーケティング戦略に活かせます。

イベントは顧客理解のデータ収集の場としても貴重です。

コンテンツを資産化できる

登壇資料や講演動画、質疑応答の内容は、イベント終了後も活用可能です。録画をウェビナーとして配信したり、資料をダウンロードコンテンツにすれば、イベントが終わった後もリード獲得を続けられる資産となります。

広告のように「一度きりで終わる施策」と違い、長期的に効果が残るのも強みです。

社内連携が強まる

イベントはマーケティング部門だけでなく、営業やカスタマーサクセスを巻き込んで実施することが多いです。その結果、顧客接点を通じて部門横断で協力する機会が増え、営業の現場理解やマーケとの連携強化にもつながります。

イベントマーケティングのデメリット

一方で、イベントマーケティングには注意すべき課題もあります。あらかじめデメリットを理解しておくことで、リスクを最小限に抑えながら取り組むことができます。

準備・運営にかかるコスト・工数

イベントは企画から実施まで多くの作業が必要です。会場手配、登壇者調整、集客施策、当日の運営、資料作成…と、人手や時間がかかる点が大きな負担になります。初めての開催では、想定以上の準備が必要になることもあります。

集客が難しい場合もある

どんなに魅力的な内容でも、ターゲットに届かなければ効果は限定的です。メールやSNS、広告などを組み合わせた告知が重要です。また、BtoBでは担当者のスケジュール調整も課題となるため、集客設計を工夫する必要があります。

効果が短期的に見えにくい

広告のクリックや反応のように、すぐに成果が数値化されるわけではありません。イベントは中長期的なリード育成や関係構築を目的として考える必要があります。そのため、ROIの評価には、参加者フォローやその後の商談につなげる仕組み作りも重要です。

イベントマーケティングの手法(種類)

イベントマーケティングには、目的やターゲットに合わせて選べるさまざまな手法があります。

セミナー/カンファレンス

特定のテーマで知識や事例を共有する形式です。業界の最新情報や成功事例を発信できるため、専門性を示しつつ信頼を得やすいのが特徴です。新規リード獲得だけでなく、既存顧客の育成にも役立ちます。

展示会

業界やテーマに関心を持つ参加者が一度に集まる大規模イベントです。来場者は情報収集や比較検討を目的としているため、新規リードを効率的に獲得できるのが大きなメリットです。出展コストや準備工数はかかりますが、短期間で数百〜数千人と接点を持てます。

ワークショップ

参加者が実際に手を動かして学ぶ「体験型」のイベントです。製品やサービスを体験してもらうことで理解度が高まり、導入検討を前に進めやすくなります。教育・トレーニングの場としても有効です。

ウェビナー

オンラインで行うセミナー形式のイベントです。移動や会場費が不要で低コストで広範囲の参加者にリーチできるのが魅力です。録画を配信すれば、イベント終了後もリード獲得や育成に活用できます。

ユーザー交流会

既存顧客や見込み顧客を招き、事例共有や情報交換を行うイベントです。参加者同士が交流することで、コミュニティ形成や顧客満足度の向上につながります。新規顧客にとっても導入検討の参考になります。

既存顧客向け交流会

導入済みの顧客に特化した小規模イベントです。成功事例の共有やネットワーキングを通じて、ロイヤルティを高め、長期的な関係性を築くことができます。アップセルやクロスセルのきっかけとしても有効です。

イベントマーケティング成功のポイント

イベントを開催するだけでは成果にはつながりません。効果を最大化するには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

目的を明確にする

まずは、何のためにイベントをやるのかを明確にします。新規リード獲得、顧客育成、ブランディングなど目的によって手法や内容が変わるため、目標設定が最重要です。

ターゲット・集客設計

ターゲットの属性や関心に合わせて、集客チャネルや告知内容を最適化します。BtoBでは担当者のスケジュールを意識した日時設定や招待文の工夫も重要です。参加者の属性によってセッション内容を分けることも効果的です。

イベント管理ツール・データ活用

参加者管理やアンケート、行動ログを活用すると、運営効率が上がるだけでなく、イベント後の営業やマーケティングに活用できるデータが得られます。ツールを使うことでフォローの自動化や効果測定も可能です。

イベント後のフォローアップ

イベント後にアンケートや資料送付、個別フォローを行うことで、獲得したリードを確実に育成できます。フォローの有無で成果が大きく変わるため、準備段階からフォロー計画を作ることが成功の鍵です。

まとめ

イベントマーケティングは、セミナーや展示会、ウェビナーなど、さまざまな手法を通じて顧客と直接つながれる貴重な手段です。
新規リードの獲得や信頼関係の構築、ブランド認知の向上など、多くのメリットがありますが、準備や集客、効果測定などには工夫も必要です。

大切なのは、「何のためにイベントをやるのか」という目的を明確にして、ターゲットや手法をしっかり設計すること。そして、イベント後のフォローまでを含めた一連の流れを意識すると、成果を最大化できます。

今後は、オンラインやハイブリッド形式の活用がますます重要になってきます。AIやデータ分析を使えば、参加者の興味や行動を把握して、よりパーソナライズされた体験を提供することも可能です。少しずつ新しい手法を取り入れることで、効率よく成果を出せる時代になっています。

まずは小規模なイベントからでも構いません。実際に開催してみることで、顧客の反応や運営のポイントが見えてきます。
この記事で紹介した手法やポイントを参考に、自社に合ったイベントマーケティングをぜひ取り入れてみてください。

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