2025.06.20

ウェビナーとは?成果につなげる配信のコツとツール選び

コロナ禍をきっかけに広まったウェビナーは、いまやマーケティング・営業・採用など、幅広いビジネス領域で成果を上げるための重要な手段となりました。

この記事では、ウェビナーの基本から効果的な配信のコツ、ツール選びのポイントまでをわかりやすく解説します。

ウェビナーとは?

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ウェビナーとは「Web」と「セミナー」を組み合わせた言葉で、インターネットを通じて行うオンラインセミナーのことです。

参加者は自宅やオフィスから気軽に参加でき、主催者は全国・海外のオーディエンスに効率的に情報を届けることができます。

マーケティングでは新規リードの獲得、営業では製品デモや顧客フォロー、採用活動ではオンライン説明会など、さまざまなシーンで活用されています。また、録画・オンデマンド配信により、時間や場所を問わず視聴できる点も大きな魅力です。

このように、ウェビナーは「情報を届けたい」あらゆるビジネスシーンで、リアル開催に代わる手段として今もなお活用が広がっています。

ウェビナーの配信方法は主に3タイプ

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ウェビナーには目的や運営体制に応じて、主に3つの配信形式があります。

① ライブ配信(リアルタイム配信)
スピーカーがリアルタイムで登壇し、参加者が同時に視聴する形式です。
臨場感があり、チャットやQ&A機能を使ったインタラクティブなやり取りも可能なため、参加者の反応を見ながら進行できます。ただし、配信トラブル対策やタイムマネジメントが求められます。

② 録画配信(オンデマンド配信)
事前に収録した動画を公開し、参加者は自分のタイミングで視聴する形式です。
配信当日のトラブルリスクを減らせるほか、参加者側の都合にも合わせやすく、繰り返し視聴できるのが魅力です。ただし、インタラクションは制限されるため、参加型の演出には工夫が必要です。

③ 擬似ライブ配信(シミュレーテッドライブ)
録画済みの動画を「ライブ配信風」に見せる方法で、決まった日時に動画を自動再生する形式です。
あらかじめ完成されたコンテンツを安定して配信しながら、チャット対応やリアルタイムQ&Aなどでライブ感を演出できます。限られたリソースで「ライブ感」を演出したい製品紹介やユーザーセミナーに最適です。

ウェビナーのメリット・デメリット

ウェビナーには、コスト削減やリード獲得など多くのメリットがある一方で、運営や参加環境に関する課題も存在します。
それぞれの特徴を理解しておくことで、目的に合ったウェビナー運営がしやすくなります。

ここでは、主催者側と参加者側の両方の視点から、ウェビナーのメリット・デメリットを整理してみましょう。

主催者側のメリット

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会場費や交通費の削減

リアルイベントに比べて、会場の手配・設営、備品やスタッフの手配といった物理的コストが発生しません。参加者の交通費や宿泊費も不要になるため、全体的なコストを大幅に抑えられます。

全国・全世界からの参加者を集めやすい

インターネット環境さえあれば、どこからでもアクセス可能。国内外の見込み顧客、遠方の社員や求職者など、物理的に会場に来られない人にも情報を届けることができます。

録画によるコンテンツの再利用が可能

ライブ配信したウェビナーを録画・編集し、オンデマンド配信として再活用できます。継続的な学習コンテンツとして使ったり、後日参加者フォローや営業ツールに転用することも可能です。

参加者側のメリット

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移動の必要がなく、手軽に参加可能

時間と場所を選ばず、自宅やオフィスからでも気軽にアクセス可能。忙しいビジネスパーソンや遠方の参加者にとっては参加ハードルが格段に低くなります。

録画視聴による柔軟な学習

当日リアルタイムで参加できなくても、後から録画を視聴できるため、自分の都合に合わせた学び方ができます。理解が浅い部分を繰り返し見直せる点もメリットです。

資料の共有やチャット機能による情報取得

ウェビナー中にリアルタイムで資料が共有され、チャットやQ&A機能を使って疑問を解消することが可能です。対面以上に双方向性のある体験が得られることもあります。

主催者側のデメリット

参加者の反応が見えにくい

画面越しの一方向型配信では、参加者の表情や温度感がつかみにくく、反応を見ながら話すことが難しいです。トーク内容の調整や場の雰囲気作りに工夫が求められます。

通信トラブルや機材トラブルのリスク

インターネットの不安定さや、使用機器・配信ツールの不具合によって進行が止まる恐れがあります。事前のテストやバックアッププランの準備が不可欠です。

参加者の離脱が容易

視聴者が「つまらない」「価値を感じない」と思えば、数クリックで簡単に離脱されてしまいます。冒頭の設計やコンテンツの魅力、インタラクティブな仕掛けがカギになります。

参加者側のデメリット

通信環境に依存

自宅や外出先のネット回線状況により、音声や映像が途切れたり、視聴そのものができなくなるリスクがあります。特に動画配信は通信速度に影響されやすいです。

集中力の維持が難しい

リアル会場とは異なり、周囲に誘惑が多く集中力を保ちづらい環境。受動的な視聴になりやすいため、途中で離脱されるケースも少なくありません。

参加者同士の交流機会が少ない

ウェビナーでは、参加者間のネットワーキングや意見交換の機会が限られがちです。対面イベントで得られるような偶発的な出会いや情報交換が難しいため、参加者同士のつながりを求める場合には物足りなさを感じることがあります。

ウェビナーの活用シーン〜コロナ禍と現在の違い

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コロナ禍での活用:制約の中での「代替手段」として

2020年以降、対面イベントや出張・来社が制限されるなかで、ウェビナーは「リアル開催の代替」として急速に広まりました。

営業活動の代替手段

展示会や訪問営業が中止・縮小されるなか、ウェビナーは見込み顧客との接点を維持するための重要なチャネルに。営業説明会やプロダクト紹介をオンラインで展開する企業が急増しました。

採用説明会・インターンのオンライン化

学生の移動制限や大学の休校により、オンラインによる会社説明会やグループワークの実施が一般化。企業も学生も場所にとらわれない接点を確保できるようになりました。

社内研修・教育の継続

集合研修が行えない状況下で、従業員向けの研修・スキルアップ講座もウェビナー形式で代替。録画配信による自己学習の仕組みづくりも進みました。

現在の活用:戦略的チャネルとしての「活用と選択」

ポストコロナの現在では、「単なる代替」から「目的に応じた最適手段」として、ウェビナーを戦略的に活用する動きが定着しています。

BtoBマーケティング施策の一環として

ウェビナー単体ではなく、MAツールとの連携やスコアリングを通じてリードの育成(ナーチャリング)を図るケースが一般化。セールスとの連携強化にもつながっています。

ハイブリッドイベントの構成要素として

会場開催とオンライン配信を組み合わせたハイブリッドイベントが主流になり、ウェビナーも「一部参加者向けの情報接点」や「後日フォロー用コンテンツ」として活用されています。

社内外のナレッジ共有

社内ではナレッジシェアやスキルアップ、外部ではユーザー向け製品活用セミナーやカスタマーサクセス施策としてウェビナーが根付いています。アーカイブ活用により情報資産としての価値も向上しています。

採用活動の継続的なタッチポイント

「ウェビナー型会社説明会」はすでに定番化。地方や海外の学生にもアプローチでき、録画コンテンツの活用により接点のチャンスが拡張されています。

成果につなげるウェビナー運営のコツ

ウェビナーの成果は、企画・集客・配信・フォローの4つの段階で決まります。
それぞれのフェーズで意識すべきポイントを押さえることで、「開催して終わり」ではなく次のアクションにつながるウェビナーを実現できます。

1. 目的とKPIを明確にする

まず最も重要なのは、「なぜこのウェビナーを開催するのか」を明確にすることです。
目的が曖昧なまま進めると、内容・集客・フォローすべてが中途半端になります。

たとえば:

目的に応じて構成やコンテンツを調整することで、成果につながる設計が可能になります。

2. 集客段階で「ターゲット」を絞り込む

「誰に見てもらいたいウェビナーか」を明確にし、ターゲットのニーズに刺さるタイトル・テーマを設定します。たとえば、「製造業向けDXセミナー」「マーケ担当者のためのSNS活用」など、業種・職種・課題を具体的に示すと効果的です。

集客には以下のチャネルを組み合わせましょう。

※集客数を追うだけでなく、「質の高い参加者」を集めることが成果への近道です。

3. コンテンツ設計は“参加者の体験”を意識する

ウェビナーの離脱率を下げるカギは、「ストーリー性」と「双方向性」です。

構成例:

  1. 導入(3分):問題提起・テーマの背景説明
  2. 本編(20〜30分):解決策・事例・デモ
  3. クロージング(5分):まとめ・次のアクション案内

さらに、以下のような参加者を巻き込む仕掛けが効果的です。

4. 配信前のリハーサルを徹底する

配信トラブルは信頼性を損ねる最大のリスクです。
本番前には必ず「進行リハーサル+機材テスト」を行いましょう。

チェックポイント:

また、司会・スピーカー・運営チームの役割分担を明確化し、進行表を共有しておくと安心です。

5. 開催後のフォローで“成果化”を狙う

ウェビナーの真価は、開催後のアクションで決まります。
「視聴しただけで終わり」ではなく、リード育成や次回参加につなげる仕組みを作りましょう。

具体的には:

この「フォローと分析」が、次回以降の成果を大きく左右します。

6. PDCAを回して“継続的な成果”を出す

1回のウェビナーで終わらせず、テーマや形式を変えながら継続開催することでブランド認知や信頼が積み上がります。
改善サイクルを回し、「データに基づく最適化」を意識しましょう。

たとえば:

こうしたデータドリブンな改善を重ねることで、ウェビナーは確実に“成果チャネル”へと育っていきます。

おすすめのウェビナーツールと選定ポイント

用途や規模、社内の体制によって、最適なウェビナーツールは異なります。まずは代表的なツールを比較しながら、選定時の注意点を押さえておきましょう。

主要ウェビナーツールの紹介

Zoom Webinar

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Zoomの使いやすさをそのままに、より多人数でのセミナー配信に対応。オンライン会議ツールとしての認知度が高いため、参加ハードルが非常に低いです。シンプルな登録フォーム・Q&A・アンケート機能など、必要最低限の機能が一通り揃っています。

ネクプロ(NextPro)

画像引用:ネクプロ

ネクプロは、ウェビナー配信だけでなく、録画の自動保存や、動画ライブラリ機能が充実しており、社内研修やオンデマンド学習にも最適。視聴データの詳細な分析機能もあり、社内外のナレッジ活用に広く使われています。

イベントハブ(EventHub)

画像引用:EventHub

EventHubは、企業の営業、マーケティング、採用活動などに特化したイベント管理ツールです。ウェビナーの開催から参加者管理、データ分析、営業連携までを一元化し、効率的なイベント運営を支援します。

ウェビナーツール選定のポイント

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参加者数

少人数向けツールと大規模対応ツールでは、仕様も料金も大きく異なります。自社イベントの規模感に合ったライセンスやサービスを選びましょう。

機能

チャット、Q&A、アンケート、画面共有、録画保存、オンデマンド配信など、必要な機能が揃っているかを確認。イベントの目的に応じて機能の優先順位を整理することが大切です。

操作性

主催者・視聴者のITリテラシーに応じて、操作のわかりやすさは重要です。直感的なUIか、サポート資料が整っているかも含めてチェックしましょう。

サポート体制

トラブルが起きた時にすぐ対応できるかは成功の分かれ目です。日本語サポートの有無や、事前リハーサル支援、電話サポートなど、運営の安心感につながります。

他ツールとの連携

CRMやMAとの連携により、ウェビナー参加情報を営業やマーケティング活動に活かすことができます。視聴履歴やアンケート結果を自動で記録するなど、業務効率化にもつながります。

まとめ

もはやウェビナーは、リアル開催の代替ではなく、成果を最大化するための“攻め”の手段です。
自社の目的に合ったツール選定や運用の最適化を行うことで、マーケティングや営業、採用における成果を大きく高めることができます。

「ウェビナーをもっと有効活用したい」「どのツールを選べばいいか迷っている」など、 お悩みがあればお気軽にご相談ください。イベントツールの選定から運用支援まで弊社ビデオマッチングがサポートいたします。

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