オンライン配信の費用はいくら?企業向けライブ配信の相場とコストの内訳を徹底解説

オンライン配信のニーズは年々高まっており、特に企業イベントやウェビナー、製品発表会などでの利用が一般化しています。しかし、初めて配信を外注する企業にとって、「どのくらいの費用がかかるのか?」「自社でやるか、外注するか?」は非常に悩ましいポイントです。
この記事では、配信経験の浅い企業担当者や、限られた予算内で最大限の効果を出したいと考えるマーケティング・広報・総務担当者の皆さまに向けて、オンライン配信の構成要素やコスト相場、そして判断材料となる実例や失敗談までを丁寧にご紹介します。
目次
オンライン配信の費用を決める要素とは?(プロの配信はなぜ費用がかかるのか)
機材費
たとえば、普段会社で使っているウェブカメラと、業務用の4Kカメラでは映像の印象がまったく異なります。視聴者に“企業としての信頼感”を持ってもらいたいのであれば、明るさの調整やブレの少ない映像が不可欠です。これには、照明機材や三脚、スイッチャーなども併せて必要となり、結果としてプロ仕様の機材にはそれなりのコストがかかるのです。
人件費
「配信=カメラを回すだけ」と思っていませんか?実際には、配信現場にはカメラマン、音響スタッフ、配信エンジニア、ディレクターなど多くのプロフェッショナルが関わります。特に企業イベントでは、予定通りに進行させるタイムキーパーや、緊急時に冷静に対応できる人材の有無が成功の分かれ道となります。
プラットフォーム費用
無料のYouTube Liveを活用するケースもありますが、セキュリティや参加者管理が求められる場面では、Zoom Webinarや独自の配信プラットフォームが必要となります。3,000人規模の視聴を想定した場合、数十万円単位のコストが発生することも珍しくありません。
会場費
会議室で配信することも可能ですが、音響や照明が不十分な環境では「聞こえない」「見づらい」といったクレームに繋がります。その点、スタジオでの配信は環境が整っており、参加者にとってもストレスのない視聴体験が実現できます。
配信の規模
例えば、社内向けウェビナーであれば、最小限の人員と機材で実施可能ですが、新製品発表や株主向け説明会など、大勢の視聴者がリアルタイムで注目する配信では失敗が許されません。そのため、規模が大きくなるほど、クオリティと安全性の確保に向けて費用も比例して高くなります。
クオリティ
視聴者の印象は細部で決まります。たとえば、配信画面にスピーカー名のテロップが出るだけで“準備された場”という印象を与えることができます。また、登壇者がスムーズに話せるよう複数回のリハーサルを行うかどうかも、イベント全体の完成度を左右します。
費用項目ごとの相場(項目別に見る具体的なコスト感)
機材費
- カメラ1台あたり:1万円〜5万円/日
- 音響機材:1万円〜5万円/日
- スイッチャー・照明機材1万円〜3万円/日
本格的な機材構成になると、10万円以上が必要になることも多々あります。
人件費
- 進行ディレクター:4万〜10万円/日
- テクニカルディレクター:4万〜10万円/日
- カメラマン:3万〜5万円/日
- スイッチャー(映像を切り替える):3〜5万円/日
- 音響(マイクやBGM等の管理):3〜5万円/日
- 配信エンジニア(配信の管理):3万〜5万円/日
- PCオペレーター(スライド送りや動画再生など):3万〜5万円/日
経験や案件の難易度によって変動しますが、熟練スタッフを揃えると確実性が高まります。
プラットフォーム費用
- YouTube Live:無料
- Zoom Webinar:1,000名で月額5万〜、3,000名規模なら月額15万〜
アカウントの設定費用が別途かかる場合があります。
会場費
- スタジオ利用(都内):5万〜15万円/日
- ホテルや会議室:1時間あたり5,000〜20,000円程度
規模別の目安
- 小規模(〜100名):15万〜50万円
- 中規模(〜500名):50万〜150万円
- 大規模(1,000名〜):150万〜500万円以上
クオリティ別のオプション
- テロップ挿入:5,000円〜2万円
- リハーサル1回:1万〜5万円
- 有線環境の敷設:5万〜20万円(工事含む)
具体的な見積もり例・コストシミュレーション
以下に、配信規模別の具体的な構成例と費用感を表形式でまとめました。配信を検討している担当者の方が、自社の要件に近いパターンをイメージしやすいようにしています。
小規模(社内向けウェビナー)

想定費用:30万〜50万円程度
- 主な目的:社内研修、報告会など
└ 社内スタッフが対象のクローズド配信 - 会場:社内会議室や簡易スペース
└ コストを抑えた環境で実施 - 使用機材:
└ カメラ1〜2台、スイッチャー、ミキサー、マイク2本、ノートPC、配信機材一式 - 必要スタッフ:2〜3名程度
└ テクニカルディレクター、スイッチャー、音響
ポイント:費用を抑えつつも、最低限の品質を確保した社内向け配信に最適。
中規模(企業向けセミナー・カンファレンス)

想定費用:50万〜150万円程度
- 主な目的:顧客・取引先向けのオンラインセミナー
└ 信頼感や配信品質が求められる外部向けイベント - 会場:配信スタジオまたはレンタル会議室
└ 安定したネット環境・照明設備などが整った環境 - 使用機材:
└ カメラ3〜5台、スイッチャー、ミキサー、マイク3本〜5本、ノートPC、配信機材一式 - 必要スタッフ:5〜6名程度
└ テクニカルディレクター、スイッチャー、音響、PCオペレーター、カメラマンなど
ポイント:クオリティとスムーズな運営が求められる中規模イベントに最適。
大規模(製品発表会・シンポジウム)

想定費用:150万〜500万円以上
- 主な目的:製品発表会、シンポジウム
└ 演出やインタラクションが求められるハイエンド配信 - 会場:ホテルの宴会場+中継スタジオなど
└ 音響・映像にこだわった演出が可能 - 使用機材:
└ カメラ5〜10台、スイッチャー、ミキサー、テロップ・演出機材一式 - 必要スタッフ:7〜10名程度
└ 進行ディレクター、進行AD、テクニカルディレクター、スイッチャー、音響、PCオペレーター、カメラマンなど
ポイント:「映像イベント」としての演出力・没入感が求められる配信に対応。
このように、機材や人員の構成によって、配信コストは大きく変動します。「とりあえずZoomで配信できれば…」という段階から、「見た目の完成度・安定性・参加者の満足度を重視した本格配信」まで、目的に応じて最適なバランスを選ぶことが重要です。
実際の失敗事例とその対策・なぜ安すぎる配信はリスクが高いのか?
ここまで、オンライン配信にかかる費用の内訳や相場感についてご紹介してきました。ただし、費用だけで判断してしまうと、思わぬトラブルに見舞われる可能性があることも忘れてはいけません。特に、価格の安さだけを重視して業者やフリーランスに依頼した場合、クオリティや安定性が著しく損なわれるリスクが高まります。
ここでは、オンライン配信で実際に起こりがちなトラブルと、それを未然に防ぐための対策をご紹介します。
インターネット環境が整っていなかった
会場のWi-Fi環境のみで配信を行った結果、回線が不安定になり、重要なプレゼン中に音声や映像が途切れてしまうという事態が発生する可能性があります。特に視聴者数が多い場合や、同時に複数のデバイスが接続される環境では、帯域の確保が非常に重要です。
対策: 有線回線を事前に敷設し、予備としてモバイルルーターや5G回線を用意しておくことで、通信トラブルを未然に防ぎましょう。
機材トラブルに対応できなかった
安価なフリーランスに依頼した場合、持ち込む機材の品質や信頼性にばらつきがあることが多く、配信中にカメラやマイクが突然使用不能になるリスクがあります。代替機材が用意されていない場合、配信が中断されることもあります。
対策: プロの配信会社であれば、万が一の機材トラブルに備えた冗長構成(バックアップ機材の準備)が整っており、当日現場での即時対応が可能です。
「安さ」だけで選んだ結果、配信が台無しに
「他社より格安で対応可能」とうたう事業者に依頼した結果、事前の打ち合わせや確認が不十分なまま当日を迎えてしまい、進行に遅れが出たり、登壇者の映像が切り替わらないなど、配信の演出が乱れてしまうケースがあります。こうした事態は視聴者の満足度を著しく下げ、企業の信頼性にも影響を及ぼしかねません。
対策: 十分なヒアリングや事前リハーサルを含めた計画的な配信運用を行える業者を選定し、段取りやタイムスケジュールのすり合わせを入念に行うことが重要です。
まとめ
オンライン配信は単なるコストではなく、企業のメッセージを効果的に届け、信頼を獲得するための“投資”です。特に配信初心者の企業担当者ほど、「何が必要で、何にお金がかかるのか」が分からず判断に迷うことも多いですが、本記事の内容を参考にしていただければ、選択肢がクリアになるはずです。
少しでも不安を感じたら、まずは一度プロに相談することをおすすめします。初回のヒアリングや簡単な見積もりは無料で対応している会社も多く、具体的に「どこに費用をかけるべきか」の見極めにもつながります。
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