2025.08.08

イベントマーケティング事例5選|成功するためのポイントと活用法を紹介

商品・サービスの魅力を「体験」を通じて届ける──それがイベントマーケティングの強みです。展示会やファンイベント、SNSと連動したプロモーションまで、あらゆる業種で活用が広がっています。

この記事では、海外企業の印象的なイベントマーケティング事例を5つご紹介。単なる集客ではなく、“記憶に残る体験”によってブランド価値を高めた実例から、自社に活かせるヒントを探ります。

1. イベントマーケティングとは?

スマホやSNSで情報があふれる現代、企業が消費者の印象に残るには”体験“を活用したアプローチが欠かせません。そこで注目されているのが「イベントマーケティング」。展示会や体験会、ファンミーティング、SNS連動キャンペーンなど、リアルまたはオンラインのイベントを通じて商品・サービスの魅力を直接届ける手法です。

特に近年は「体験型イベント」の注目度が上がっています。理由はシンプルで、

といった特徴があるためです。この記事では、海外企業が実施した5つの印象的なイベントマーケティング事例を紹介しながら、自社で活かすヒントをお伝えします。

\BtoBイベントマーケティングの記事はこちら/

BtoBイベントマーケティングの活用法|リード獲得から商談・受注につなげる戦略とは?

2. イベントマーケティングが注目される理由

情報過多時代の「差別化」に

スマホやSNSの普及により、消費者は1日に何百もの情報にさらされています。その中で印象に残るためには、広告やPRといった“受動的な情報”だけでは不十分です。イベントを通じて、実際に見て・触れて・感じてもらう“能動的な体験”を提供することで、消費者の記憶に深く刻まれ、他社との差別化を図ることができます。

SNS拡散との親和性

画像引用:Adobe Stock

体験を通じて生まれる「驚き」「楽しさ」「感動」は、思わず誰かにシェアしたくなる感情です。来場者が自発的に写真や動画をSNSに投稿すれば、自然な形でブランドの認知が広がり、広告に頼らずとも高い波及効果を得ることができます。ハッシュタグやフォトブース、インフルエンサーの活用などもこの文脈で有効です。

オンライン×オフラインの融合

リアルイベントだけでなく、オンラインイベントやハイブリッド形式が一般化した今、場所や時間に縛られない体験設計が可能になりました。たとえば、リアル会場での体験をライブ配信したり、事前登録で資料や特典を送付したりと、タッチポイントを複数持てるのが強みです。これにより、従来よりも広範囲かつ柔軟にターゲットへアプローチできます。

成果につながりやすい

イベントを通じて得られる参加者データやアンケート結果は、営業・マーケティング施策にそのまま活用可能です。たとえば、イベント来場者に対してセグメント配信を行ったり、商談化につなげたりと、具体的な成果に直結しやすいのが特徴です。

3. 海外のイベントマーケティング事例(5選)

① Apple|映画『F1: The Movie』による体験型プロモーション

画像引用:Apple TV 

Appleは2025年6月公開の映画『F1』を通じて、Apple Storeのサプライズ演出、iPhoneの通知連動、Apple Mapsと連携したルートガイド、限定トレーラーの公開など、複数チャネルを活用した体験型プロモーションを展開しました。映画館だけでなく、製品やサービスとの連動を図ることで、ブランドとしての世界観を強化しました。

② Red Bull|Stratos(宇宙からのジャンプ)

画像引用:https://www.redbull.com/int-en/projects/red-bull-stratos

Red Bullは、フェリックス・バウムガートナー氏による成層圏からのスカイダイブを支援。このイベントは世界中で話題となり、YouTubeでのライブ中継やSNSでの拡散により、エンターテインメントと挑戦の象徴としてRed Bullのブランドイメージを際立たせました。

③ Airbnb|「Icons」:ポップカルチャーと連動した宿泊体験

画像引用:https://news.airbnb.com/airbnb-2024-summer-release/

Airbnbは、「カールじいさんの空飛ぶ家」「X-MENの館」など、ポップカルチャーの世界観をリアルな宿泊体験として提供。ファンの夢を叶えるような没入型体験により、Airbnbの宿泊サービスが単なる「宿を探す場所」から「特別な体験を得る場」へと進化したことを印象づけました。

④ Porsche|Porsche Experience Center Tokyo(千葉)

Porscheは、千葉・木更津に体験型の複合施設を開設。購入検討者だけでなく、ブランドファンも楽しめる施設として、試乗体験やドライビング講習、カフェ・物販エリアを設置。ブランドの持つ高級感・走行性能をリアルに感じてもらうことで、より深い顧客接点を生み出しています。

⑤ Nike|House of Innovation:店舗を体験イベント化

画像引用:https://www.nike.com/jp/house-of-innovation

Nikeの旗艦店「House of Innovation」では、来店者が製品をカスタマイズしたり、アプリと連携したショッピング体験が可能。買い物の場を“遊び場”に変えることで、来店時間の増加やファンの熱量向上につなげています。ブランドと過ごす時間そのものを価値とする設計が特徴です。

4. 成功するイベントマーケティングの共通点

画像引用:Adobe Stock

ターゲットを明確に設定すること

イベントの効果は、誰に何を伝えるかの明確さにかかっています。ターゲットのニーズや関心を理解し、それに合ったメッセージや体験を設計することで、参加者の共感や興味を引きやすくなります。曖昧なターゲット設定は、結果的に効果の薄いイベントにつながるため、最初の段階で入念に検討しましょう。

感情を動かす体験を設計すること

記憶に残るイベントは、参加者の感情に訴えかけます。単に情報を伝えるだけでなく、五感に働きかける演出や参加型の仕掛けを取り入れることで、体験そのものが強い印象を残します。感動や驚き、楽しさといった感情が動くと、その体験は深く記憶に刻まれ、ブランドへの愛着や信頼感も育まれます。

SNSや既存チャネルと連携すること

現代のイベントマーケティングでは、SNS拡散を前提に設計することが必須です。イベントの感動や楽しさがオンラインで広がることで、参加者以外にもブランドの認知が広がります。また、既存のメールやSNSフォロワーと連携し、事前告知や事後フォローを行うことで、参加率の向上や継続的な関係構築につながります

イベント後の仕掛けも用意すること

イベントは単発の出来事で終わらせず、その後のコミュニケーションやフォローアップを計画することが重要です。参加者のフィードバックを得て改善に活かしたり、継続的な接点を作ることで、ファン化や顧客ロイヤルティの向上に繋がります。こうした一連の流れが、長期的な成果を生む基盤となります。

5. イベントマーケティングを自社で活かすヒント

画像引用:Adobe Stock

大規模でなくてもOK

大掛かりな演出や予算がなくても、狙ったターゲットに刺さる「小さくても印象的な体験」があれば十分です。たとえば、参加型の企画や限定感を演出するだけでも記憶に残りやすくなります。

目的は“売る”より“つながる”

短期的な売上ではなく、ブランドへの共感や信頼を築くことがイベントの本質です。商談や成約はその“結果”として生まれるものであり、まずは関係構築を目的に据えることが成功への近道です。

成功事例を自社流にアレンジ

規模・業種・商材が異なっても、成功事例から着想を得て、自社にフィットする形に落とし込むことが大切です。どの要素が自社の顧客に響くかを見極めながら、オリジナルな体験を設計しましょう。

イベント管理ツールの活用も検討を

計画・集客・フォローアップまで一貫して管理できるイベントツールを使えば、工数を削減しながら成果にもつなげやすくなります。MAやCRMと連携すれば、参加者データを活かした継続的な接点づくりにもつながります。

6. まとめ

イベントマーケティングは、「人の心を動かす体験」を通じて、ブランド理解やファン化を促進する有効な手段です。

海外企業のような大胆な施策は参考になりますが、自社の規模や目的に合った取り組みを選ぶことが成功の鍵です。

体験設計・拡散設計・成果設計の3つを意識しながら、まずは小さな一歩から始めてみましょう。

イベント管理ツールを活用すれば、準備からフォローアップまでを効率化し、成果にもつなげやすくなります。イベント運営に不安がある方や、「どこから始めればいい?」と悩んでいる方は、ぜひビデオマッチングまでお気軽にご相談ください。

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