ウェビナーマーケティング活用術|営業ツールで終わらせない、マーケ施策としての活用法

「ウェビナーは営業がやる“説明会”のようなもの」
――そんなふうに捉えている方も少なくないのではないでしょうか。
たしかにウェビナーは、自社製品やサービスを紹介する場として活用されることが多く、営業活動の延長線上にあるイメージが強いかもしれません。
しかし実は、ウェビナーこそマーケティング施策として非常に優秀な手段であり、BtoB企業における顧客獲得やリード育成に欠かせない存在になりつつあります。
この記事では、まず「マーケティングとは何か?」をあらためて整理したうえで、なぜウェビナーがマーケティング施策として有効なのか、その理由と活用方法をご紹介します。
目次
ウェビナーマーケティングの前提として知っておきたい「マーケティング」とは?

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まず、マーケティングの定義をシンプルに言えば、 「売れる仕組みをつくること」です。
具体的には、お客さまが「欲しい」と思う商品やサービスを、欲しいタイミング・方法・価格で提供できるように設計していく活動のことを指します。ここで混同されがちなのが、「営業」との違いです。それぞれの役割を比較してみましょう。
概念 | 役割 |
マーケティング | 売れる仕組みをつくる(見込み顧客を集め、育てる) |
営業 | 売る(提案・商談・クロージング) |
BtoBのマーケティングでは、以下のような流れが主な目的になります:
- 見込み顧客を集める(リード獲得)
- 見込み顧客を育てる(ナーチャリング)
- 営業にパスし、購買につなげる(商談化)
ウェビナーは、この1〜3すべてに関与できる、いわばハイブリッドな施策です。
BtoBにおけるウェビナーマーケティングの位置づけとは?
マーケティングではさまざまな手段がありますが、それぞれ「どの目的に効果的か」を理解しておくことで、ウェビナーの位置づけも明確になります。
施策 | 主な目的 | 解説 |
ホワイトペーパー | リード獲得(①) | 課題解決のヒントとなる資料を用意し、フォーム記入と引き換えにダウンロードしてもらう。興味層のメールアドレスを取得できる。 |
ウェビナー | リード獲得+興味度把握(①+②) | セミナー形式で見込み顧客と直接接点を持てる施策。視聴時間やQ&Aなどの参加行動を通して、興味関心の度合いも可視化できる。 |
メールマーケティング | ナーチャリング(②) | 取得したリードに継続的に接触。関心に合わせて内容を出し分けて「育てる」。MAツールを使えばスコアリングも可能。 |
SNS・広告(リスティング/ディスプレイ) | 潜在層へのアプローチ(①前段階) | まだ接点がない人に広くリーチ。興味・関心を喚起して、ホワイトペーパーやウェビナーへ誘導。 |
展示会出展 | リード獲得+営業接点創出(①+③) | オフラインで直接会話できる貴重な機会。名刺交換からリードを取得し、次の接触(メール・ウェビナーなど)につなげる。 |
MA(マーケティングオートメーション) | 全体最適・効率化(①〜③すべて) | リード情報を一元管理し、自動でナーチャリング施策を展開。スコアが高まったタイミングで営業にパスする。 |
ウェビナーマーケティングの主なメリット
ウェビナーは、マーケティング活動の中でも特に実行しやすく成果に直結しやすい施策です。ここでは、実務の中で感じる「やりやすさ」と「効果」を両立できる、ウェビナーマーケティングならではの主なメリットを3つに絞って紹介します。
1. コスト削減につながる

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物理的な会場の手配や移動、設営などが不要なため、オフラインイベントと比べて大幅なコストダウンが可能です。スタートアップや少人数のマーケチームでも、手軽に実施できる点が大きな魅力です。
2. 業務負荷を減らしながら複数開催できる
一度テンプレート化・仕組み化すれば、限られた人員でも効率的に複数のウェビナーを実施できます。定期開催やシリーズ企画として継続的に展開でき、マーケティング活動の中核に据えやすくなります。
3. 参加のハードルが低く、リード獲得につながりやすい
参加者はインターネット環境さえあればどこからでもアクセスでき、時間の制約も少ないため、申し込みのハードルが下がります。その結果、従来のオフラインイベントよりも幅広いリード獲得が期待できます。
なぜウェビナーマーケティングは効果的なのか? 3つの理由

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ウェビナーは、単に情報を届けるだけの「説明会」ではありません。マーケティング施策として活用することで、見込み顧客の興味関心や温度感を“可視化”し、営業につなげる重要な役割を果たします。ここでは、ウェビナーマーケティングが注目されている3つの理由を紹介します。
1. 関心の高い見込み顧客が集まる
ウェビナーは「見たいから申し込む」=自発的なアクションが前提のため、広告や資料請求よりも温度感の高いリードが集まりやすい特徴があります。
2. 興味度を数値化できる
視聴時間、離脱ポイント、Q&Aやチャットの参加状況、アンケート回答の内容などが「興味関心の指標」となり、見込み顧客のスコアリングにも活用できます。
3. 営業と連携した具体的なフォローが可能に
高関心な参加者には営業が個別アプローチし、検討初期の人には関連コンテンツでナーチャリング。視聴データをもとにマーケ部門と営業部門が連携し、最適な対応ができるのが最大の強みです。
ウェビナーマーケティングを成功させる4つのコツ

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ウェビナーをただ開催するだけでは、思ったような成果にはつながりません。マーケティング施策として成果を出すためには、事前の設計から実施後のフォローまで、戦略的な運用が不可欠です。ここでは、初めての方でも取り入れやすい、ウェビナーマーケティング成功のための4つのコツを紹介します。
① 「誰に」「何を届けたいか」を明確にする
ターゲットの設定が曖昧だと、訴求もぼやけてしまいます。顧客の課題に沿ったテーマ設定を心がけましょう(例:「こんな悩みありませんか?」から入る)。
② 集客だけで終わらせず、「参加後」を設計する
成果が出ないケースの多くは「やって終わり」になっているパターン。視聴データやアンケートを活用し、次の施策(ナーチャリング/営業パス)につなげる設計を事前にしておくことが重要です。
③ 視聴行動データを分析して「温度感」を測る
何分視聴したか? どこで離脱したか? Q&Aへの参加状況やアンケート回答などから、参加者の関心度を多角的に把握できます。これらの情報は、次の打ち手を判断する材料として非常に有効です。
④ ウェビナーを「資産」にする意識を持つ
録画・編集コンテンツは、ナーチャリングや社内研修用資料としても再活用できます。単発イベントで終わらせず、ウェビナーを使いまわせる資産として育てる視点が重要です。
まとめ|ウェビナーマーケティングは“売れる仕組み”の一部になる
ウェビナーは単なる営業の“説明会”ではなく、マーケティングの一環として「リードを集め・熱量を把握し・営業に渡す」ことができる施策です。
- 関心層を可視化し
- リードの温度感を測定し
- 適切なタイミングで営業パスする
この流れがつくれるウェビナーは、まさにマーケティング施策の中心的存在。
「自社のウェビナーをちゃんとマーケティングに活かせているか?」
――そんな視点で、ぜひ一度見直してみてください。
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