オンライン配信に適した環境とは?配信場所・会場の考え方

セミナーや研修会、シンポジウムなどを、オンライン配信で行うことが増えています。

配信する「場所」や開催する「会場」はどのように考えればよいか、オンライン配信に適した「環境」についてご紹介します。

オンライン配信の種類と方法

「オンライン配信」は、ビジネスシーンや教育の現場、エンターテインメントなどのさまざまなシーンで利用されています。

オンライン配信のイベントには、セミナー・会社説明会・講演会・新商品発表会・学会・株主総会・オンライン授業・オンラインイベント・音楽ライブなど多岐に渡り、それぞれ規模や目的が異なり、配信方法や難易度も変わります。

オンライン配信の方法は、大きく分けて3つの種類に分けられます。

オンライン配信のみで行う「ライブ配信」に、オンラインとリアルの両方で行う「ハイブリッド型配信」、そして事前に収録した映像を流す「事前収録型配信」があります。

種類1. ライブ配信

「ライブ配信」とは、配信者も参加者(視聴者)も全員オンラインで参加する配信です。例えば、企業が開催するオンラインセミナーでは、主催する配信側も視聴者も両者オンラインで参加します。

リアルタイムで行うため、視聴者との双方向のコミュニケーションや最新情報を提供したり、臨場感のある配信を行えるのがメリットです。ただ、音声やインターネット環境のトラブルが起こったときにすぐに対応できるかがネックに。配信側や登壇者がどのような環境でインターネットに繋いでいるかは大事なポイントです。事前にインターネット環境を確認しましょう。また、配信時に外部音が入らないかどうかも確認することが大切です。

種類2. 事前収録型配信(オンデマンド配信)

よく耳にするオンデマンド配信とは、事前に収録した動画を流す配信方法です。イベント参加者に共有リンクを渡し、参加者はアクセスをして動画を見ることができます。

事前収録のため動画を編集することができ、安心して配信ができるというメリットも。参加者は好きなタイミングで何度も視聴することができます。

場所・会場の考え方

事前収録のため、収録場所は問いません。ただし動画をライブ配信する場合は、インターネット環境で行います。

種類3. ハイブリッド型オンライン配信

講演会や学会などを開催するとき、参加者がオフライン(リアル会場)とオンラインに分かれる形があります。これが、ハイブリッド型オンライン配信。会場に登壇者と参加者が集まってリアルイベントを開催するとともに、配信環境を整えてオンライン配信も行います。オンラインとオフラインをWで行うため、配信としては難易度が高くなります。

登壇者が複数いる場合は、登壇者の一部がオンラインで参加することも。登壇者がオフラインとオンラインに分かれることで、登壇者の画面の切り替えや音声の調整が必要になります。配信側の作業が多く、難易度が高いため技術も必要です。

場所・会場の考え方

講演会や学会などのイベントを行える会場であるとともに、配信が滞りなくできるインターネット環境が整っていることが条件です。

オンライン配信に適した環境選びの3つのポイント

オンライン配信の種類によって、「環境」に対する考え方は変わります。条件さえ満たせば、オフィスの会議室や自宅からでも問題なく開催することが可能。ここでは、配信に適した環境かを知るためのポイントを3つご紹介します。

①インターネット回線が高速で安定しているか

オンライン配信をする際に最も重要なのは、インターネット回線の速度です。速度が不安定だと、映像と音声がズレてしまったり止まってしまったりするなど、配信時にミスが起こります。常時、配信に耐えられる速度であるかどうかがまず大切です。

②音声をきちんと拾える環境か

登壇者の話す声がきちんと拾えるかどうかも大切なポイントです。配信時に、サイレンや走行中の車の音など、外部音が入らないかどうかを事前に確認をしましょう。よりクリアな音声で配信するにはマイクの準備も必要です。

③映り込み、背景に気を遣える環境か

司会者や登壇者など、映像に映る人の「背景」も大切な要素。ごちゃごちゃした背景や映り込んでいけないものが映るのはNG。映り込みには気を遣い、余計な情報を入れないようにしましょう。

配信環境で重要な「インターネット回線速度」の考え方

オンライン配信を行う際に気をつけたいのは「インターネット回線の速度」です。速度が遅いと、映像と音声が止まってしまい、配信が成り立たなくなることもあります。

Zoomの場合は、速度が遅いこといよってアップロードに限界もあり、画質が粗くなることも。安定したオンライン配信を行ううえで、インターネット回線の速度をきちんと考えることはとても大切なのです。

配信側に必要なインターネット回線の速度

インターネット回線の速度は、基本的に送る映像のサイズ、つまり解像度に依存します。

オンライン配信で一般的な解像度は、<720p30fps>

<720p30fps>とは、動画サイズが720p、映像の滑らかさが30fpsを指します。これは、オンラインセミナーを行う際によく使われる解像度で、この場合のインターネット回線の速度は3~6mbpsとされています。

速度を考えるときのポイントは、速度の数値を余裕を持って考えること。速度は5倍ほど多く見積もることが一般的なので、見積もったインターネット回線の速度を準備しましょう。

一般的なオンライン配信の速度は3~6mbps。用意しておくインターネット回線の速度は、5倍を見積もり<15〜30mbps>が最適です。ただし、速度は常に上下します。長時間の配信の場合はリスクが高まるため、より多く見積もったインターネット環境を用意しましょう。

また、4Kなどの高画質の画像や動画を配信する場合は、解像度も画像の滑らかさも必要です。高画質の場合も、インターネット回線の速度はさらに多く見積もっておくと安心ででしょう。

インターネット回線の速度を手軽に確認する方法

https://fast.com/ja/

こちらのサイトでは手軽にインターネット回線の速度を確認することができます。配信場所を選ぶ際に基準となるので、ぜひ活用してみてください。

インターネット回線は「占有型」が安心

画面が止まったり音声が途切れたり、オンライン配信では突発的な事故が起こる場合が多々あります。ビジネスシーンでは、配信トラブルはあってはならないものです。特に気をつけてインターネット環境を整えましょう。

インターネット回線には、「共有型」「占有型」があります。

共有型

ひとつの回線を何本にも分岐させて複数のユーザーが共有で使用しているタイプの回線。アクセスが集中すると配信が遅延したり途切れたり、トラブルが起こりやすくなります。

占有型

ひとつの回線をユーザーが独占して使用できるタイプ。ほかのユーザーの影響を受けずに配信ができるため、トラブルを避けることができます。

ビジネスシーンでのオンライン配信では、インターネット回線は「占有型」がおすすめです。会場を借りて開催する際は、「占有型」かどうかを事前に確認しておきましょう。オフィスのインターネット回線は共有型がほとんどなので、オフィスから配信をする際はほかのユーザーの使用を控えてもらうなど、事前にコミュニケーションをとっておきましょう。

視聴者側のインターネット回線と回線速度の目安

インターネット環境や速度は、配信側だけの課題ではありません。配信をスムーズに視聴するためには、実は視聴者側のインターネット環境も関係しています。

視聴者がスムーズに映像を視聴するためのインターネット回線の速度の目安は、4Gのスマートフォンの場合平均20~30mbps程度、光回線のインターネット環境下では平均30~100mbps程度。連続視聴時間やWi-Fiの契約によって異なりますが、視聴者に対して、推奨の視聴環境を伝えておくとスムーズです。

ちなみに、視聴者はパソコンやスマホ、タブレットなどさまざまなデバイスを使って配信を視聴します。それぞれ画面サイズが異なるため、PC用に動画を作るとスマホの小さな画面では見づらい場合もあります。

また、スマホで視聴をすると視聴者の通信契約のパケットにも影響があります。高画質の動画など解像度が高いデータを配信すると、視聴者のパケット量がオーバーし通信制限がかかる場合もあります。一般的な動画を120分視聴したとき、消費する通信量は1GB。YouTubeでは720p(高画質)で約90分(1.5時間)、480p(中画質)で約120分(2時間)、360p(中画質)では約180分(3時間)の視聴が目安です。

長時間の配信を行う場合や高画質で配信する場合は、スマホよりパソコンで視聴する方が安定します。ビジネス関連の配信ではパソコンでの視聴が一般的ですが、一般の方も参加する配信では「この配信はパソコンで視聴するのが最適です」などと事前に告知をしておくといいでしょう。

配信側は、自身のインターネット環境を整えるだけではなく、視聴者のインターネット環境を想定しながらイベントのプログラムを作成するのがポイントです。

ハイブリッド型配信の会場選びのポイント

最近は、オフラインとオンラインで行うハイブリッド型のイベントが増えてきました。会場選びは規模によって異なりますが、配信はインターネット環境が整っていればスムーズに行うことが可能です。そこで気にしておきたいのが「音」です。

イベントの規模によっては機材をたくさん使用する場合があり、ハウリングやダブリングが起こることもあります。ハイブリッド型のイベントでは、配信業者に依頼できると安心で、さらにイベントのプログラムや構成作りも合わせて依頼できるとクオリティの高いイベントを行うことができます。

オンライン配信に必要な機材

ライブ配信の目的に合わせて必要な機材の紹介と選ぶ際の注意点をまとめました。記事の最後では、機材をレンタルする場合の相場、メリット・デメリットも解説しているので、ぜひ読み進めてみてください。

オンライン配信をする前に配信環境を整えよう

小規模のオンライン配信であれば、配信環境や配信場所はそこまで大きな問題ではないかもしれません。ただ、ビジネスシーンでの配信や登壇者や視聴者が多い配信では、事前に配信環境を整えて臨むことが大切です。

インターネット回線の速度を確認しながら、クオリティの高い安定した配信を実現しましょう。

弊社ビデオマッチングでは、オンラインイベントに適した会場の選定をサポートしています。日本を代表するレンタルスペースの企業様や各ホテル様、ホール運営事業者様などと連携をしており、提案できる会場の種類も豊富です。

オンライン配信に使用する会場にお悩みの企業様は、ぜひ下記よりお問い合わせください。

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