イベント企画書づくりー基本構成と実現力を高めるイベント管理ツール活用ポイントー

目次
はじめに
イベントを成功させるには、最初の段階で「しっかりとした設計図」が必要です。
その役割を担うのが、イベント企画書です。しかし、初めて書く方にとっては、「どこから手をつけたらいいの?」「どこまで書けば十分なの?」と迷うことも多いはず。
この記事では、イベント企画書に必須の基本構成と、成功率を高めるツール活用のポイントを、初心者にもわかりやすく解説していきます。
なぜ企画書が必要なのか
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イベントの企画書はイベントを成功に導くための羅針盤であり、単なる提案書にとどまりません。企画書は、次のような役割を果たします。
- 社内・クライアントへの提案と承認を得るための資料
→「なぜこのイベントをやるのか」「どう実施するのか」を関係者に伝える役割。 - 運営チームとの認識を揃えるための設計図
→ 目的・体制・スケジュールが明文化されることで、属人化や齟齬を防ぎます。 - 実行フェーズでも見返す判断の軸
→ 迷ったときや修正が必要なときに立ち返るための「ブレない軸」になります。
イベント企画書の基本構成
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ここでは、イベント企画書に盛り込むべき基本の構成要素を紹介します。
1つずつ丁寧に整理していけば、抜けや漏れなく実行力のある企画書が作れます。
1. 目的とゴール
- イベントの開催目的(例:リード獲得、既存顧客の育成、新サービスの認知拡大)
- 設定するゴールやKPI(例:来場者数、商談化率、アンケート満足度)
→ 「なぜこのイベントをやるのか?」を明確に伝える項目です。ここが曖昧だと、企画全体の軸がブレてしまいます。目的に沿った具体的なゴール設定により関係者間で成功の定義が揃い、企画の合意形成がスムーズになります。
2. ターゲット
- どんな人に来てもらいたいか?(職種、業種、課題感など)
→顧客の具体的なイメージ(ペルソナ)を描くと、説得力が増します。「誰のためのイベントか」が明確であればあるほど、集客施策やコンテンツの精度も高まり、成果にも直結します。
3. テーマ・コンセプト
- イベント全体を貫くメッセージや世界観
- 例:「中堅メーカーのためのDX実践セミナー」「営業成果を最大化するトーク術」など
→「誰のために、どんな価値を届けるのか」が伝わる言葉を選びましょう。全体を貫くメッセージがあることで、イベントの印象が一貫し、参加者の記憶に残りやすくなります。
4. 会場と開催形式
- オフライン、オンライン、ハイブリッドなどの形式
- 開催場所や配信ツール、収容人数、アクセスのしやすさなども記載
→ 開催方法や場所は、ターゲットにとって参加しやすい形を選ぶことが重要です。オンラインかオフラインかで準備も大きく変わるため、企画書段階でしっかり検討しましょう。
5. スケジュールとタイムテーブル
- 企画開始から開催までの準備スケジュール
- イベント当日の詳細なタイムライン(登壇者、セッション内容)
→ 準備の進行管理やチーム間の認識を揃えるために不可欠な情報です。とくに当日のタイムラインは、運営トラブルを防ぐためにも詳細に記載しましょう。
6. コンテンツ・登壇者
- セッションの内容(タイトル・概要)
- 登壇者のプロフィール、登壇理由や期待される効果
→ 内容と登壇者の組み合わせに一貫性があると、企画として強くなります。参加者に「この人の話が聞きたかった」と思ってもらえる構成が、満足度と来場率を左右します。
7. 集客方法
- 告知チャネル(メール、SNS、広告、営業との連携など)
- 集客のスケジュールとKPI(例:◯月◯日までに100件申し込み)
→ 単なる手段の羅列ではなく、「どうターゲットに響かせるか」の設計が重要です。費用対効果の見える化や集客KPIの設定までできると、実行力の高い企画書になります。
8. 予算と費用内訳
- 会場費、制作費、ツール利用料、人件費などのコスト明細
- スポンサー収入や、リード獲得単価の試算などを添えると、説得力がアップします。
→ スポンサー収入や、リード獲得単価の試算などを添えると、説得力がアップします。意思決定者にとって、予算は企画の「現実性」を測る最大の要素です。細かく分解して示しましょう。
9. 運営体制
- 誰が何を担当するのか(社内担当者/外注先など)
→ 窓口や連絡フローなど、実行に向けた具体性も求められます。 役割分担が明確になっていると、企画の進行スピードと安定性が大きく向上します。
10. リスクと対応策
- 予想されるリスク(天候・トラブル・キャンセルなど)
- リスクが発生した際の対応パターン・代替案
→ リスクが発生した際の対応パターン・代替案を想定しておくことで、信頼性の高い企画として評価されます。「最悪のケースを想定している」という姿勢が、関係者の不安を減らし、承認を得やすくします。
イベント管理ツールの活用
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イベントは、「企画して終わり」ではなく、「集客・運営・効果測定」までが一連の流れ。
それを支えるのがイベント管理ツールです。特に業務量が多くなるほど、ツールの導入は企画書内での説得力を高める要素になります。
企画書では、以下のような観点を記載しておくと効果的です。
ツール活用に関する企画書内のチェックポイント
- ツール導入の目的(例:申込・来場管理の効率化、データの可視化)
- 活用フェーズの明記(例:申込受付、当日運営、アンケート回収、レポート出力)
- 関係部門・協力会社の利用体制(例:マーケティング部・営業部もツール連携予定)
- 連携システムとの対応(例:MA・CRMとの自動連携で営業連携も効率化)
- 導入効果の見込み(例:人件費◯時間分削減、KPIの即時可視化によるPDCA促進)
導入によってどんな業務がどれだけ効率化されるのか、定量的な想定も併せて記載すると、導入の妥当性が伝わりやすくなります。
企画書内での書き方の例
例1:運営体制・ツール活用
“集客管理、申込受付、リマインドメール送信、アンケート回収などは、〇〇(ツール名)を活用予定。運営負荷を削減し、当日のスムーズな進行を実現します。担当者3名で対応可能な設計とし、人的コストを抑制します。”
例2:効果測定方法
“申込数・来場率・セッション別視聴率・アンケート満足度などのKPIを設定。〇〇(ツール名)にて参加者データや行動ログを一元管理し、後日レポートを作成・共有予定。次回イベントの改善にも活用可能です。”
例3:費用とコスト削減案
“配信や受付、アンケート収集は○○(ツール名)によりオンラインで一括対応。紙の配布資料・手作業による受付を省略し、印刷費・人件費を約30%削減する想定です。”
イベント企画書を作成するときのポイント
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順番より“全体のつながり”が大事
各要素がバラバラにならず、「目的→手段→成果」へと自然につながる構成を意識。たとえば「経営層との接点創出が目的なのに、若手社員向けのテーマや会場設定」では、狙いとのズレが生じます。目的とターゲット、施策に一貫性があると説得力が増します。
数字を盛り込むと説得力アップ
費用・参加者数・KPIなどはできる限り定量的に記載。「想定100名、目標アンケート満足度80%以上」など、定量的な指標があると、成果判断の軸が明確になり、上司やクライアントにも伝わりやすくなります。
誰が読んでも同じ解釈ができる表現に
チームや上司、外注先にも伝わる共通言語を意識しましょう。たとえば「リード獲得」と書く場合、「ホットリードを何件」など粒度も揃えるとズレが減ります。誤解や手戻りを防ぐためにも、言葉の定義が大切です。
ツールの導入や外注など、“実行のリアリティ”を見せる
単なる理想論ではなく、運営の現実性も伝えることが大切です。「ツールで集客・受付を自動化」「当日の配信は外注に依頼」など、実務に落とし込んだ記載があると、実行可能性が高いと判断されやすくなります。
まとめ
イベント企画書は、「やりたいことを伝える資料」ではなく、「どう実現するかを示す設計図」です。目的・ターゲット・コンテンツ・体制・予算・ツールまでをきちんと整理することで、関係者の理解を得やすくなり、実行性も高まります。
特に、イベント管理ツールの活用を前提にした企画書は効率化と効果測定の両面で評価されやすく、上司やクライアントへの提案も通りやすくなります。「どうすれば確実にイベントを成功させられるか?」を考えながら、企画書に落とし込んでいきましょう。
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