イベント運営の基本と流れを徹底解説|運営で終わらせず営業成果につなげる方法

目次
はじめに
イベントを開催して「満足度は高かったが、売上にはつながらなかった」「参加者リストは集まったけど、その後どう活用すればいいのか分からない」そんな経験はありませんか?
本記事では、イベント運営の実務的な基本ステップを押さえながら、イベント後に参加者データをどう営業活動へとつなげていくかを徹底解説します。さらに、最近導入が進む「イベント管理ツール」の活用法についても紹介し、イベントを“マーケティング資産”に変えるための実践ノウハウをお届けします。
イベント運営の5ステップ【実務ベースで解説】

イベントの成否は「事前準備・当日の進行・事後フォロー」のすべてを丁寧に設計・実行できるかどうかにかかっています。現場で役立つステップを順に解説します。
Step1:目的とターゲットの明確化
イベントを開催する目的を曖昧にしたまま進めてしまうと、後から「成果が不明確」という事態に陥りがちです。
具体的に設定すべき要素:
- KGI/KPIの設計:例)リード100件獲得、商談化率20%
- ペルソナ設計:誰に来てもらいたいのか(役職、業種、課題)
- 提供価値の明文化:参加者にどんな“気づき”や“変化”を持ち帰ってもらいたいのか
営業やマーケティング部門と密に連携し、「どんなリードがほしいのか」を事前にすり合わせておくことが重要です。
Step2:進行計画とマニュアルの作成
イベント運営において“現場で混乱しない設計”が成功の鍵となります。最低限、以下のようなマニュアル類を用意しましょう。
マニュアル | 内容 |
進行台本 | タイムラインに沿った進行と担当の動きを記載。トラブル時の対応時間も含める |
スタッフマニュアル | 受付・誘導・案内・控室対応など、それぞれの役割と判断基準を明文化 |
緊急時対応マニュアル | 停電・体調不良・火災等への対応と連絡網を記載 |
これらはGoogleドライブやNotionなどでリアルタイム共有し、変更があった場合も即時反映できる体制を整えるとスムーズです。
Step3:備品と制作物の準備
備品の忘れ物は、当日のトラブルの元。ジャンルごとにリストを整理しましょう。
備品カテゴリとチェックリスト例
分類 | 代表的な備品 |
会場関連 | テーブル、椅子、導線サイン、誘導マップ |
受付関連 | 名札、QRコード読み取り機、受付名簿、アルコール消毒 |
コンテンツ | 配布資料、ノベルティ、ステージ装飾、スライド |
配信関連 | カメラ、マイク、ミキサー、スイッチャー、モニター |
雑備品 | 養生テープ、ガムテープ、延長コード、予備電源、ゴミ袋 |
クラウドで「備品管理表」を共有することで、進捗・担当・納期をチーム全体で可視化できます。
Step4:リハーサルと当日運営
リハーサルで確認するべき項目
- 登壇者のスライド投影、マイク使用、登壇順の確認
- 配信環境(映像・音声・ネット)のテスト
- スタッフ動線と受付から控室までの流れの確認
- 想定されるトラブル(天候、渋滞、設備トラブル)への対応
スタッフ体制例(実際のオペレーションで多い配置)
役割 | 担当内容 |
総合ディレクター | 全体の進行管理、トラブル時の判断 |
受付スタッフ | チェックイン、名刺収集、リスト更新 |
誘導スタッフ | 会場内の流れを整理、セッション切替時の誘導 |
控室対応 | 登壇者案内、登壇直前の連携 |
配信ディレクター | 配信機材の操作、Zoom/YouTube等の進行管理 |
イベントの品質は、リハーサルで8割が決まると言われています。特にハイブリッドイベントでは、配信の安定性が満足度に直結します。
Step5:終了後のフォローとデータ整理
ここからが“営業成果につなげる”本番です。イベントで得た情報をどう活かすかが問われます。
具体的なアクション例:
- 参加者データのCRM登録
- アンケート分析(満足度、今後のニーズ)
- フォローメール配信(資料DL、録画アーカイブ、特典提供)
- 営業部門へのリード振り分け(確度別で)
- 報告資料作成と次回イベントへのナレッジ共有
イベント管理ツールで営業接続を加速する

イベントを単なる“場”で終わらせず、成果につなげるには、データの一元管理・連携・分析が欠かせません。ここで活用したいのが「イベント管理ツール」です。
主なイベント管理ツールの機能
機能 | 概要 |
申込・受付管理 | フォーム作成、QRコード受付、参加状況のリアルタイム確認 |
アンケート回収 | 事後アンケートを自動送信、回答状況をCRMと連携 |
MA連携 | HubSpotやSalesforceとAPI連携、スコアリングやセグメント分けが可能 |
分析ダッシュボード | 来場者数、回遊率、セッション参加率などを可視化 |
メール配信機能 | セグメント別に資料・フォロー案内の送信が可能 |
ツール導入のメリット
- リード管理の漏れがなくなる
- 営業部門との連携がスムーズに
- 次回イベントの改善ポイントがデータで把握できる
- ROIの可視化が可能になる(費用対効果)
ツールとしては、EventHub、ネクプロ、ON24、Eventoryなどが代表的。社内のCRM・MA環境との相性を見て選定すると良いでしょう。
イベントを営業資産に変える3つの視点

イベント成果を“数値”で示すためには、以下の視点を導入しましょう。
1. 定量指標の追跡
- 来場者数(事前申込 vs 実来場)
- 商談予約件数(当日 or フォローで)
- アンケート回収率と満足度
- 登録→商談→受注のコンバージョンレート
2. リードのスコアリングと優先順位付け
- 参加セッション、アンケート回答から関心度を数値化
- 営業が優先すべき“ホットリード”を明確に
- MAツールとの連携で自動スコアリングも可能
3. フィードバックループの確立
- 営業→マーケ→イベントチームへのフィードバック
- “良質なリード”を生んだ施策の共有と改善
- 次回イベントで成果を再現する仕組み作り
まとめ|イベント運営の本質は“成果の仕組み化”にある
イベントは「開催すること」自体が目的ではありません。**“誰を動かすか”と“どう成果につなげるか”**の視点を持つことで、企業の成長を加速させるマーケティング資産へと昇華します。
✅ 事前に目的とターゲットを明確化
✅ 運営マニュアルや備品を整え、現場でのミスを最小限に
✅ イベント管理ツールでデータを可視化・活用
✅ 営業部門との連携を前提に成果設計を行う
イベントに携わるすべての方にとって、本記事が「次回の成功」に向けた一助となれば幸いです。