クオリティの高いZoom配信に必要な機材と費用による違いをプロが解説
コロナ禍以降、Zoom配信の需要が急速に増加しました。徐々に配信に慣れ、映像の自由度やクオリティを上げるために機材を検討している、という声も少なくありません。
今回はクオリティの高いZoom配信に必要な機材と金額による違いを解説します。
目次
Zoom配信の目的に合わせた専用機材を紹介
今回は映像の質・映像の自由度をあげる・音質といった3つの観点で、配信のクオリティを上げるために用意したい機材を紹介します。
Zoom配信の映像を綺麗に見せる配信機材
映像をきれいにするために用意したいのは、外付けのWebカメラ、三脚、キャプチャーボードです。
PC内蔵のWebカメラを使うよりも、外付けのWebカメラや一眼レフカメラを使うことで画質が上がり、映像をきれいに見せることができます。また、内蔵カメラでは映像の角度を操作するこができませんが、外付けカメラであれば可能です。一緒に三脚を用意し、目的に合わせた映像の角度や位置を調整し、視聴者により質の高い映像を配信できます。
照明は背景や演者の顔などに影が出てしまうことがあるので注意が必要です。
カメラ、三脚選びについてより詳しく知りたい場合はこちら
キャプチャーボードの役割と購入前に知りたい3つのポイントはこちら
配信映像の自由度を上げる機材・ツール
複数人の演者を配信する必要がある際やZoomウェビナーを行う場合は、外付けカメラ、スイッチャー、OBSを用意すると、初心者でも映像に一定の自由度を持たせた配信が可能になります。
スイッチャーを使用することで映像などを切り替えたり、複数台のカメラ映像を一つの画面に分割して配信ができます。
OBSは映像配信の際に使用する無料ソフトのことです。OBSによって高画質、高音質に設定して配信することができます。また、テロップの表示、ライブ配信を録画するなども可能で、ソフトを導入することで配信自由度が向上します。
無料ソフトの中で多く使用されているのがOBSなので、ダウンロードしておきましょう。
また、OBSを使用の際は、CPU:core i5、メモリ:8GB以上を搭載したパソコンを準備することを推奨します。それ以下となると、動作が遅くなり配信トラブルが発生する可能性があるので注意が必要です。
OBSのダウンロードはこちら
スイッチャーの役割と選び方や注意点の詳細はこちら
音声を良くするZoom配信の機材
音声を良くするために必要な機材はマイクとミキサーです。
マイク
ピンマイクは話者の洋服などに付けたまま使用でき、音声を拾う感度も高いため、話す内容にフォーカスさせたい時、または身振り手振りのプレゼンテーションを行う際に適しています。
一方、ハンドマイクは複数人の話者がいる際や、会場が広い場合に適しています。配信の状況に応じてピンマイクやハンドマイクを用意するとワンランク上の配信が可能になります。
専用マイクとして大きく以下の2種類があります。
・ダイナミックマイク
集音範囲が狭く感度が低いのが特徴。ハイブリット配信に使用するのがおすすめ。
・コンデンサーマイク
集音範囲が広く感度が高いのが特徴。オンライン配信全般で使用することができる。
マイクについての選び方や機材紹介はこちら
ミキサー
ミキサーとは複数の音を調節し出力する音響機器のこと。
複数の音質・音量を調節することが可能で、音のバランスを整えたり、空間や環境に合わせて音の広がりをコントロールするような微細な調整ができるようになります。
ミキサーを使う場合の注意点と選び方のポイントはこちら
Zoom配信に必要な機材の金額による違いとおすすめ機材
機材を揃えようとしても種類も多いため、金額帯ごとの違いを把握しきれず、購入後に後悔するしてしまうという声も多くあります。ここからは無料、30万、60万、100万という予算の中でプロが厳選した機材をポイントとともに紹介します。
Zoom配信機材が無料で出来ること
無料でできる場合はPCの内蔵マイク・カメラとOBS(無料)を用意しましょう。この場合は、社内外の限られたミーティングであれば問題なく配信ができます。
一方で、カメラの角度を変えることや映像、音声に関してのクオリティは限定的なので、社外的な大事なウェビナー等は機材を用意していきましょう。
Zoom配信機材で揃えたい機材を紹介(30万、60万、100万)
ここではそれぞれの予算ごとに揃えることができる機材を紹介していきます。金額による機材の違いや配信目的になった適切な機材を選定しましょう。
予算ごとに揃えたい機材はこちらです。
金額と質に大きな違いがでるカメラ、マイク、スイッチャーについてはこちら。
カメラの違い
映像の質を上げた配信を行う場合には、カメラを変えることが有効的ですが、その際、映像の質、操作の難易度、機材への費用対効果(機材の費用/配信の回数)の3つの観点で検討するといいでしょう。
最近のWEBカメラであれば、十分に質の良い映像が配信できます。まずはそれぞれの配信映像を確認し、どのくらい質にこだわる必要があるのか判断するのをおすすめします。
また、金額帯が上がるにつれて、業務用カメラに近い性能になりますが、その分、操作の難易度があがります。紹介の「Panasonic HC-X1500」カメラは企業のプロモーション映像を配信・収録したい場合でも機能を発揮してくれます。一方で知識を持ち合わせないと機能を使いこなすことができません。購入した機材に見合う配信ができるのかという観点でも、年間何回Zoom配信を行っていくのかなどを考慮して機材を購入することをおすすめします。
マイクの違い
価格帯ごとに音質の違いはもちろんのこと、マイクのサイズにより話者の見え方が変わってきます
金額帯が上がっていくにつれて音質がクリアなマイクですが、紹介の「Jabra Speak 410 MS」はコンパクトなピンマイクのため、話者を引き立てたいプレゼンテーションにもおすすめです。
このように音質だけではなく、どう演出したいかという観点でマイクの形状を選ぶと、金額も変わってきます。
スイッチャー
金額が上がるにつれ、業務用の機材に近い機能性を発揮し、1台でオーディオミキサーにもなる優れものですが、カメラと同様で操作の難易度は上がります。
Zoom配信も慣れている、もしくは今後開催の予定も一定ある場合は紹介の「atem mini」から「Roland VR-4」へ切り替えも検討していいでしょう。
Zoom配信機材が30万円で出来ること
30万円の予算で揃えたい機材はこちらです。
- スイッチャー:BlackmagicDesign atem mini (6万円)
- WEBカメラ:Logicool c920n 2台(1.5万円)
- 三脚 2台(0.8万円)
- マイク:Jabra Speak 410 MS (1.7万円)
- PC:ガレリア RL5C-R35(10万)
紹介の機材では、映像や音声に強いこだわりを持たない場合の社外向けのウェビナーを行う配信におすすめです。コストパフォーマンスや操作性も良い質の高い機材のため、Zoom配信の初心者の方から少し配信に慣れてきた方まで、幅広く活用できます。それぞれの機材のポイントも合わせて紹介します。
スイッチャー
BlackmagicDesign AtemMini4はキャプチャーボードとしても機能し、初心者の方でも操作しやすい機材です。値段も6万円前後と非常にコストパフォーマンスが良い機材です。
カメラ
30万円の予算では、本格的なカメラを用意するのは難しいため、Logicool c920nのWEBカメラを複数台用意することをおすすめします。
マイク
今回ご紹介のJabra Speak 410 MSは、マイクスピーカーといわれるものです。マイクスピーカーというと、会議の場など使えるシーンが限られているように思われますが、社外向けのウェビナーでも活用できます。また、テーブルに設置し広く音を拾うため、配信映像にマイクが写り込むことなく、 3名程度の声を出力してくれます。音質へのこだわりが強すぎず、配信することを目的にしている場合はコストパフォーマンスの良いマイクです。
Zoom配信機材が60万円で出来ること
60万円の予算で揃えたい機材はこちらです。
- スイッチャー:Roland VR-4 (24万円)
- カメラ:Panasonic VX992M 2台(16万円)
- 三脚:2台(0.8万円)
- マイクスピーカー:オーディオテクニカ PRO49QL(1.7万円)
- PC:ガレリア RL5C-R35(10万)
今回紹介の機材では、BGMを流した演出や映像に意識した配信が可能になります。それぞれの機材のポイントはこちらです。
スイッチャー
Roland VR-4は音声と映像を一台で操作できる万能なスイッチャーです。操作も比較的簡単のため、初心者の方も扱いやすい機材です。こちらも同様にUSB接続でキャプチャーボードとしても機能します。
カメラ
Panasonic VX992Mは一般用カメラのため、操作・設定が簡単です。機能性と金額を考慮すると、8万円台から購入が可能で、非常にコストパフォーマンスが良く、おすすめのカメラです。
マイク
オーディオテクニカ PRO49QLは、比較的安価に購入できるマイクになります。見た目もスリムのため、カメラに写っても目立たちません。話者や映像に焦点を当てたい時は、こういったマイクを選ぶのも良いでしょう。
Zoom配信機材が100万円で出来ること
100万円の予算で揃えたい機材はこちらです。
- スイッチャー:Roland VR-4 (24万円)
- カメラ:Panasonic HC-X1500 2台(44万円)
- 三脚:2台(0.8万円)
- ピンマイク:オーディオテクニカ 2台(8万円)
- 照明:2台(4万円)
- PC:ガレリア RL5C-R35 2台(20万)
今回紹介の機材は、企業の商品PRのための配信やプレゼンテーションに注目してほしい配信に適しています。専用カメラのため、映像の質にこだわった配信はもちろん、ピンマイクを使用すれば話者の見え方も変わってきます。
今回紹介の機材のポイントはこちらです。
カメラ
VR-4カメラのPanasonic HC-X1500はプロ仕様カメラの中でも比較的安価に購入ができます。このカメラであれば、映像の質は格段に変わってきます。
マイク
オーディオテクニカのピンマイクは音質もよく非常にクリアに聞こえます。また、ピンマイクのスマートな形状のため話者のプレゼンテーションに注目をさせることが可能です。
配信機材を購入する上で気をつけるポイント
金額と質の違いを紹介してきましたが、それ以外にも購入する際に注意したいポイントがあります。今回は特に購入後に後悔が多い3つのポイントを紹介します。
日本語に対応しているか?
購入してから気づくことも多い機材の対応言語。当日の配信をトラブルなく行うには、購入前に日本語対応かどうかを事前確認することが大切です。
会社に申請せずに使用できる機材か?
どんなに高スペックの機材を揃えても、セキリティの観点で機材を設置する際に会社に申請が必要な場合があります。事前の申請が必要か、使用不可な機材があるかなど、購入前に会社に確認することをおすすめします。
他の機材と規格が合っているか?
一式機材を揃えても、HDMI、カメラ、マイク、スイッチャー等全ての機材の規格が同じように対応していないと配信ができなくなってしまいます。接続(入力と出力)部分の規格をまで、入念に確認し、無駄な費用を抑えましょう。
まとめ
昨今、Zoom配信の機材に費用をかけ、クオリティを上げたいという需要が増えてきました。予算や配信目的に合わせて機材を選ぶのは非常に難しいという声も多いです。
「機材選定からサポートしてほしい」「クオリティの高い機材をまずはレンタルで試してみたい」という企業様は、弊社ビデオマッチングにご相談ください。700社以上のオンライン配信をサポートしてきた実績をもとに、貴社に最適な機材をご提案いたします。配信目的に合わせた適切な機材を用意しましょう。