オンライン配信のやり方をプロが解説-必要機材や開催手順もご紹介
コロナ禍よりオンライン配信を利用した講義やセミナー、イベントなどの開催が急激に広がってきています。この記事では、オンライン配信の機材や撮影方法、プラットフォーム、配信の手順など、オンライン配信のやり方を紹介します。ビジネス配信とエンタメ配信のそれぞれにおすすめのプラットフォームなども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
オンライン配信の2つのやり方
オンライン配信はPC内蔵カメラとツールで配信を行う方法と、専用カメラなどの配信機材を利用して配信を行う方法の2種類あります。
予算や用途によって配信のやり方は多少変わりますが今回は、汎用性のある配信方法について紹介します。
PC内蔵カメラを使用したオンライン配信
映像に強いこだわりがない場合は、カメラに経費をかけず、PC内蔵カメラのみでもオンライン配信は可能です。話者が1人の場合や映像よりも話す内容や資料に注力させたいなどの場合にPC内蔵カメラで配信するといいでしょう。
PCのみでオンライン配信を行う場合、ソフトやプラットフォームが必要です。ZoomもしくはTeamsを使用して配信を行いましょう。
ウェビナー開催などは、Zoomのウェビナー機能を使用するとPCのみでも満足度の高い配信が可能になります。
簡易的な配信が可能な一方で、カメラの角度や映像の色味を調節することが難しいため、画角や配信映像の質にこだわりたい場合は不向きです。
Zoomを使ったオンライン配信の方法について知りたい方はこちらをご確認ください。
ビデオカメラなどの配信機材を使用したオンライン配信
ビデオカメラなどの配信機材を使用すれば、企業内で配信チームを内製化した場合でも本格的な配信が可能になります。カメラの種類としては大きく2種類あり、民生用ビデオカメラと業務用ビデオカメラです。開催の目的によっては、安価な民生用ビデオカメラでも十分クオリティが高い配信が可能です。
一方、業務用ビデオカメラを仕様する場合は主に、企業・商品のPRなど映像にこだわりたい時です。この場合、2台のカメラを使用し、価格帯は40万円前後になります。綺麗な映像を配信できますが、操作の専門性が上がるため、配信経験が浅い場合はまずは、安価な民生用カメラから使用することをおすすめします。
その他、ビデオカメラを使用すれば、映像の角度や色味の調整が可能になります。また、2台以上のカメラであればウェビナー開催だけでなく、企業の商品説明会や会社説明会・入社式なども可能です。
ビデオカメラだけでは、オンライン配信を行うことが出来ないのでその他の機材も揃えましょう。
オンライン配信を開催するのに必要な準備物
オンライン配信の事前準備は機材とプラットフォーム選定です。ここではそれぞれのポイントを簡単に紹介していきます。
オンライン配信に必要な機材
最低限用意したい機材を5つ紹介します。
カメラ
配信映像をきれいにしたい場合は、WEBカメラを用意しましょう。ウェブカメラとは、パソコンと接続して使われる小型カメラのこと。WEBカメラを使用することで、映像の質はもちろんのこと配信の角度や色味の調整が可能になります。
その他、用途別のカメラ使い分けとしては以下がおすすめです。
・1人で登壇する場合
パソコン取り付け型Webカメラ
・2人以上で登壇する場合
民生用ビデオカメラ
ビデオカメラを検討している方は、価格帯ごとのおすすめカメラとその特徴の詳細を確認してみてください。
マイク
カメラに重点を置きがちなオンライン配信ですが、マイク選びも非常に大切になってきます。最近のカメラはWEBカメラや民生用ビデオカメラのような安価なものでもクオリティの高い配信が可能になってきています。一方、きれいな音声を配信できるか、雑音やハウリングを防いだ音を届けられるかという点でマイク選びをするのは難しいので、十分調べた上で選定しましょう。
マイクは大きく、「コンデンサーマイク」と「ダイナミックマイク」の2種類に分かれます。配信の目的ごとに選定するのをおすすめします。
オンライン配信におけるマイクの選び方とおすすめのマイクについて知りたい方はこちらの記事を確認してみてください。
スイッチャー
複数台のカメラの映像やPCから出力する資料や動画を簡単に切り替えることが出来る機械です。5,000円程度の安価なものでも十分に機能します。
カメラを2台以上用意する、もしくは映像にこだわりを持ちたい場合に揃えるといいでしょう。
オンライン配信におけるスイッチャーの選び方とおすすめのスイッチャーについて知りたい方はこちらの記事を確認してみてください。
照明
照明は必須機材ではないですが、使用することで話者や対象物に焦点を当てた、きれいな映像の撮影が可能になります。使用する際は、照明の角度や明るさに気を付けて設置するといいでしょう。
ミキサー
複数の音を調節して配信することができるミキサーは、以下のような時に使用することをおすすめします。
- 複数人の話者がいるシーン
- BGMを流す配信を行う場合
ミキサーを使用することで、雑音などの音を小さくし、話者の声を大きくするなどが可能になります。
オンライン配信におけるミキサーの選び方とおすすめのミキサーについて知りたい方はこちらの記事を確認してみてください。
配信機材の詳細や予算(30万円、60万円、100万円)ごとにまとめた記事を確認したい場合はこちら。
オンライン配信におけるプラットフォームの選定
最適なプラットフォームを選ぶには、セキュリティ面や参加者の人数、参加者とのコニュニケーションをどの程度まで行いたいか、などがポイントとなります。ここではビジネス向け、エンタメ向けの配信で使用したいプラットフォームの特徴をそれぞれ紹介していきます。
ビジネス活用向けのプラットフォーム
Zoom
Web会議ツールとして広く利用されているZoomには無料プランと有料プランがあります。無料プランの参加人数が100人までなのに対して、有料プランでは1000人まで参加可能です。また、有料プランでは、ホストが指定した参加者に発言権を与え進行ができるようになっているなど、ウェビナーの開催などに活用できるツールが揃っています。
YouTube Live
無料で多くの視聴者に配信できるYouTube Live。配信用のURLがあれば、世界中の人に視聴してもらうことができます。配信した動画をアーカイブしておくことができるので、学校のオンライン授業などでも使用されています。また、チャット機能を使用して参加者と双方向のコミュニケーションも可能になります。
また注意したいのは、YouTube live配信はライブ配信の24時間前にアカウントの本人確認作業を行う必要があります。チャンネルの確認を行うには、電話番号入力が必要となるので、事前に準備しておきましょう。
YouTube Liveを使用した細かい配信手順を知りたい方はこちらから確認できます。
Microsoft Teams
Officeツールとの連携がシームレスに行える「Microsoft Teams」。Word、Excel、PowerPointといったOfficeアプリケーションと連携し、共同編集できるというメリットがあります。参加人数は、最大300人まで。ウェビナー機能を使用すれば、最大1,000人まで参加可能です。視聴のみであれば、1万人まで可能となります。
インタラクティブな配信向けのプラットフォーム
Vimeo
広告が流れるYouTubeとは異なり、Vimeoは広告が流れない動画配信ができるのが特徴です。高画質な配信ができることや分析ツールが豊富なのも優れている点。一方でデータ容量が限られているため、5種類の料金プランより目的にあったものを選定する必要があります。
無料プランでは、5GBまでのデータ容量、管理者1人までなどの制限があるため、プラン比較をして最適なものを選びましょう。
StreamYard
StreamYardは簡単な操作性、安定性、そしてプロフェッショナルな視覚性をコンセプトとして、2018年にカナダで立ち上げられたプラットフォームです。初心者でもPCのみで自由度の高い演出が可能になる人気のサービスです。
具体的には、以下のようなことが可能です。
- 動画やテロップ、ロゴなどをPCのみで差し込む
- 1080pの高画質な配信
- 配信映像のレイアウトを簡易的に変更する
- YouTubeやTwitterなど他の媒体への配信
初心者でも難易度の高い配信が可能になる一方、配信の参加人数は、有料プランの場合でも、15名までなので大規模ウェビナーなどには不向きでしょう。
オンライン配信のやり方を手順ごとにプロが解説
オンライン配信を開催する手順は大きく分けると5つの項目です。
開催する際は、規模や用途にもよりますが70日前から準備し始めるとスムーズにオンライン配信を開催することができます。
それでは、オンライン配信の開催手順について紹介します。
オンライン配信の目的を明確にする
機材やプラットフォームを選ぶ前に行いたいのが、「目的」や「なぜ行うか」「何を達成したいか」という視点です。この部分を具体的にすることで、機材の準備、プラットフォームの選定、配信のスタッフ人数など、最適な配信方法が明確になります。
配信するコンテンツの内容を決める
当日までに決定したいコンテンツ内容は以下の項目です。
- 配信イメージの擦り合わせ
- 配信方法の決定(ライブ配信、事前収録、ハイブリット型配信)
- 配信場所の決定
- 台本などの資料作成
- プラットフォームの選定
- スケジュールの作成
- 役割分担
まずは、スムーズに進行するために、配信映像のイメージを担当者全員で擦り合わせしましょう。
オンライン配信のスタジオ、配信環境を整える
配信の目的やこだわりの強さによって、または費用の有無で自社オフィス内にするか、スタジオで行うかを決定するといいでしょう。
どちらの場合も重要なのは、有線で繋げる場所であるか、通信回線があるかという点です。
回線に強い有線が設置できる場所であることが一番望ましいですが、ない場合は別途配信環境を整える機材が必要になってくるので、当日までに忘れず準備をしておきましょう。
リハーサルを含めた当日運営
配信前日までに機材の準備、当日はリハーサルを行います。配信の専門家が当日行うチェックとしては、テクニカルリハーサルとランスルーという2種類です。
テクニカルリハーサル
スタジオの装置が想定通り稼働するかを確認するもの。ハウリングなく運用できているか、通信環境は問題ないかなどを一通り確認します。
ランスルー
演者の方を交えて本番と同じように行うリハーサルのこと。機材に加え、演者の方々の当日の流れなどを詳細に確認します。
これら2種類のリハーサルを行い、トラブルなく満足度の高いオンラインセミナーを目指しましょう。
配信後の効果検証
オンライン配信では、アーカイブの作成やデータの取得がスムーズに行えて、アンケートの回答もすぐに確認できます。振り返りの時間を作り、取得データから分析を行うようにしましょう。その際、参加人数や参加者のステイタス、セミナー後の問合せきっかけ等の項目を指標に置き、効果検証を行っていきましょう。
まとめ
オンライン配信の準備物や手順を網羅的に解説しましたが、当日をトラブルなく配信するには入念な準備や経験も必要になります。予算がある場合は、機材を揃える前に一度専門家に相談してみましょう。
・どのツールを使えばいいのかわからない
・準備が複雑で大変そう…
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