ウェビナーマーケティングとは?メリット・成功のコツ・ツールまで解説
ウェビナーマーケティングは、無駄なコストを省き、顧客の獲得から成約までをより効率的に行える手法として、今注目されています。ウェビナーマーケティングに取り組むべきか、今まさに悩んでいるという担当者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、ウェビナーマーケティングが効果的な理由や、成功させるコツと失敗の理由、おすすめの管理ツールなどについて解説していきます。
目次
ウェビナーとは?
そもそもウェビナーとは、ウェブ(オンライン)+ セミナーを組み合わせた造語で、オンライン上で実施するセミナーのことです。参加者は会場に移動する必要がなく、PCやスマートフォンから視聴できます。
近年では、リード獲得や情報発信の場として多くの企業が活用しており、リアル会場でのセミナーよりも手軽に実施できる点が特徴です。
ウェビナーの主な配信形式
① ライブ配信
リアルタイムで配信する形式。質疑応答やチャットでのコミュニケーションがしやすく、参加者の反応を見ながら進行できるのが魅力です。
・参加者と双方向でやり取りしたい
・新製品発表など鮮度が重要な内容
に向いています。
② 録画配信(オンデマンド)
事前に収録した動画を、参加者が好きなタイミングで視聴できる形式です。
・視聴時間の自由度が高い
・コンテンツの使い回しや継続的なリード獲得に強い
マーケティング資産として長期的に活用できます。
③ 擬似ライブ(疑似ライブ)
録画した動画を「ライブ配信のように」流す形式です。
リアルタイムの質疑応答やチャット対応は担当者が行うため、運営側の負担を抑えながら“ライブ感”を演出できます。
・ライブの緊張感は避けたい
・運営を効率化しつつ双方向性も確保したい
といったケースに最適です。
ウェビナーマーケティングとは
ウェビナーマーケティングとは、ウェビナーを使って見込み顧客と接点をつくり、興味づけから商談化までを進めるマーケティング手法です。申し込み情報や視聴データを活用して、顧客の関心度に合わせたフォローができるのが特徴です。
最近では、ライブ配信とオンデマンド視聴を組み合わせて参加しやすい環境をつくったり、シリーズ企画で継続的に知識提供を行う企業が増えています。また、MA/CRMと連携し、視聴状況に応じて自動でスコアリングや営業連携を行う運用も一般化しています
企業のマーケティングにおける課題

ウェビナーを検討する企業の多くが、次のような課題を抱えています。
① リードは取れるが商談につながらない
・展示会や外部イベントで名刺は増える
・ウェビナーの申し込みはある
→ しかし “次のアクション” が設計されておらず、フォローが形骸化する
例:
・お礼メールを送るだけで終わる
・MA(マーケティングオートメーション)は導入したが、スコア設定が適当
・商談化の基準が曖昧で営業が拾いきれない
② 部門ごとにイベント運営が属人化し、全体設計ができていない
企業によっては
・営業部門が独自でウェビナー開催
・マーケは展示会中心
・カスタマーサクセスが個別セミナー
と、施策が分断しているケースが多いです。
その結果、
・KPI定義がバラバラ
・データが統合されない
・効果検証ができない
という問題が起きています。
③ 新しい施策が作れず、PDCAが回らない
担当者からよく聞く悩みは以下の通りです:
「企画案がマンネリ化してきた」
「他社成功事例を見ても、何を取り入れればよいか分からない」
「MAのデータをどう活用すべきか分からない」
これらはすべて、施策の設計・評価軸・データ活用が整っていないことが原因です。
ウェビナーマーケティングの5つのメリット
ウェビナーを上手く活用することで、企業のマーケティング活動の効率化ができます。ウェビナーは、ターゲットや内容を絞ることで初めて本来の効果を発揮するものです。
ここでは、ウェビナーマーケティングのメリットを5つお伝えします。
理由1. 新規顧客の開拓ができる
多くの企業が「新規顧客の獲得には苦戦している」のが実情ですが、ウェビナーはその課題を解消しやすい施策です。特に有効なのが 共催ウェビナー と トレンド系ウェビナー です。
共催ウェビナーは、パートナー企業の顧客基盤にリーチできるため、これまで接点のなかった層に効率よくアプローチできます。共催先を選ぶ際は、同じターゲット層を持ちながら、競合にならない業種を選ぶのがポイント。3〜4社での共催にすることで、集客力をさらに高めることも可能です。
また、トレンド系のテーマ(例:Web3.0、メタバースなど)は、関心の高い新規ユーザーを集めやすく、新しい層への認知拡大に効果的です。「今知りたい」と思われるテーマを設定することで、参加の動機付けを強くできます。
理由2. 見込み顧客の育成ができる
新規顧客(リード)を獲得した後は、彼らが次に知りたい内容をテーマにした「勉強会ウェビナー」を実施すると効果的です。基礎的な情報から一歩踏み込んだ知識を提供することで、参加者の理解が深まり、自社サービスに対する関心度も自然と高まります。
さらに、学習意欲が高まった参加者は「より具体的な事例を知りたい」「実際の活用方法を聞きたい」といった次のニーズを持つようになります。こうした流れを作ることで、商談化を目的としたウェビナーや営業接点へスムーズに誘導しやすくなるのです。
理由3. 商談化率を高められる
ウェビナーでは、具体的な活用事例や導入事例を示すことで、参加者が自社での利用イメージを持ちやすくなります。その結果、商談につながる可能性が高まり、商談化率の向上が期待できます。
重要なのは、ターゲットごとに反応が得やすいコンテンツを設計することです。単に情報を伝えるだけでなく、「この内容を聞くと次のアクションに進みたくなる」と思わせる流れを作ることが、商談化ウェビナー成功のカギになります。
理由4. 全国どこからでも参加できる
ウェビナーは会場に足を運ぶ必要がないため、全国どこからでも気軽に参加できます。地域に縛られず幅広い潜在顧客にリーチできる点が大きな強みです。また、移動時間や交通費の負担がないため、既存顧客にとっても参加のハードルが低く、参加率向上につながります。
理由5. リアルイベントより費用が抑えられる
リアルイベントでセミナーを開催すると、会場費や人件費、機材費、交通費などがかかり、数十万円規模の費用が必要になることも珍しくありません。一方でウェビナーであれば、必要なのは主に人件費とウェビナーツールの使用料のみで開催可能です。
その結果、コストを大幅に抑えつつ、効率的に多くの顧客にアプローチできるため、売上アップにつなげやすい点が大きなメリットです。
ウェビナーマーケティングで見込める効果
ウェビナーは単なる「オンラインセミナー」ではなく、マーケティング全体の精度と生産性を高める重要な施策です。ここでは、ウェビナーマーケティングが企業にもたらす主な効果を3つ紹介します。
1. マーケティングの生産性が上がる
ウェビナーは一度作ったコンテンツを録画配信や擬似ライブで何度も活用できるため、限られたリソースでも安定した施策運用が可能です。例えば、同じ内容を複数回配信することで、新規リードの獲得と既存顧客への情報提供を同時に実現できます。
社内の負担を増やさずにコンテンツを資産として蓄積できる点は、長期的なマーケティング戦略において大きな強みです。
2. 施策全体のデータ精度が向上する
ウェビナーでは、参加履歴・視聴時間・質問内容・アンケート結果など、細かいデータを取得できます。これにより、顧客がどのテーマに興味を持ったか、どの部分で理解が深まったかを把握可能です。
得られたデータをメール施策や商談フォローに反映させることで、施策全体の精度が向上し、マーケティングROIの改善にもつながります。
3. 営業との連携がスムーズになる
ウェビナーのデータを営業チームと共有することで、フォローの質が大きく向上します。「どのコンテンツを視聴して関心が高まったか」「どのテーマに反応が良かったか」といった情報を活用し、顧客ごとに最適なアプローチが可能になります。
その結果、商談化のスピードが上がり、営業活動全体の効率化にもつながります。さらに、ウェビナーで得た課題や関心内容をもとに、次回以降の企画改善にも役立てられます。
ウェビナーマーケティングが失敗する理由
ウェビナーマーケティングが成果につながらない背景には、いくつか共通した理由があります。ここでは特に多い原因を2つ紹介します。社内で認識を揃えるためにも、ぜひ共有しておきましょう。
理由1. 目的・ターゲット・企画が定まっていない
ウェビナーの成否は、目的・ターゲット・企画の一貫性で決まります。この3つを明確にしないまま企画を進めると、テーマが抽象的になったり、ターゲットと合わない内容になったりと、参加者の満足度が下がりやすくなります。
特に、
・目的が商談化なのに広すぎるテーマを設定してしまう
・顧客が求めていない内容を一方的に話してしまう
といったミスマッチは成果に直結しません。
企画時点で数名のメンバーでチェックし、「誰に・何を・なぜ伝えるのか」がブレていないかを確認することが重要です。
理由2. 数回実施して辞めてしまう
ウェビナーマーケティングは、継続して実施することで成果が積み上がる施策です。にもかかわらず、「手間がかかる」「効果が見えにくい」といった理由で、数回の実施で止まってしまう企業が多く見られます。
実際に成果を出している企業は、毎月3回以上のウェビナーをコンスタントに開催しています。最初は準備に時間がかかりますが、回数を重ねると運用は驚くほど効率化します。
一般的には、
内容詰め:1時間弱
資料作成:2〜3時間
集客:30分
リハーサル~本番:1時間半
と、合計6時間程度で完結できるようになります。
継続できる体制を整え、改善を積み重ねることが成功への近道です。
ウェビナーマーケティングを成功させるコツ3つ

ウェビナーマーケティングを成功させるコツを3つ紹介します。ウェビナーの効果を最大限に引き出すためにも、事前にポイントを抑えておきましょう。
コツ1. 目的・ターゲット・企画をしっかりと練る
ウェビナーの質は、目的・ターゲット・企画の整合性で大きく決まります。企画内容が良くても、ターゲットや目的とズレていると成果にはつながりません。
よくある失敗として、商談化を目的にしたウェビナーなのに、集客を優先してトレンド寄りのテーマを設定してしまうケースがあります。トレンド企画は新規リード獲得には適していますが、商談化目的には不向きです。テーマが抽象化するほど商談化率は下がり、ターゲットも広がりすぎてしまいます。
商談化目的なら具体的・実務寄りのテーマ、新規開拓なら広めのテーマというように、目的に応じて企画の方向性を決めることが成功への近道です。
コツ2. 余裕を持った計画と、改善前提の運用を行う
ウェビナーは準備期間の余裕があるほど、企画の精度や当日の運営品質が高まります。とはいえ、ただ時間をかければ良いわけではありません。短いサイクルでPDCAを回し、改善し続けることが重要です。
そのために、KPIとして以下の数値は必ず取得しましょう。
- 参加申し込み率
- 参加率
- アンケート回収率
- 商談化率
- アポ獲得率
特に「どれくらい狙ったターゲットが参加したか」は、次回のテーマ設計にも直結します。数字を見ながら改善し続けることで、徐々に成果が積み上がっていきます。
コツ3. ウェビナー後に振り返りを行う
ウェビナーの質を高めるためには、アンケートによる振り返りが欠かせません。アンケートからは、顧客の課題や期待値、次に求められている情報など、多くのヒントを得ることができます。
回収率を高めるためには、質問項目は最低限に絞るのがポイントです。おすすめは以下の5つ。
- 名前
- 満足度
- 課題
- サービスへの興味関心
- 次回のウェビナーで聞きたい内容
満足度は「大変満足・満足・不満・大変不満」の4段階にすることで“普通”を避け、分析しやすくなります。また、満足度の理由は必須にしないことで、負担を減らしつつ質の高い回答が得られます。
逆に避けるべき項目は以下です。
- 個人情報(例:メールアドレス、電話番号、部署、役職など)
- ウェビナーへの参加理由(例:「ウェビナーに参加しようと思った理由を教えてください」)
- 次回の参加意思(例:「次回も参加したいと思いますか?」)
個人情報は申し込み時点で取得済みですし、参加理由は曖昧な回答が多く、改善に使いづらい項目です。次回参加意思は、「次回どんなテーマに興味がありますか?」と聞く方が実用的です。
\アンケートテンプレートが欲しい方はこちら/

ウェビナーマーケティングにおすすめの管理ツール
ウェビナーマーケティングにおすすめの管理ツールを3つ紹介します。自社のウェビナーにはどのツールが合うか、比較検討してみてください。
1. eventos(イベントス)

画像引用:eventos公式サイト
eventosは、イベント運営の全てを1つのツールで完結できるプラットフォームで、イベント開催業務を効率化してくれます。特に、規模の大きなイベントを一元管理したい場合におすすめです。
イベントの作成からマーケティング支援、データ分析、決済まであらゆる機能が充実しています。
Eventosは後述のON24とよく比較されますが、eventosには、オンライン展示会の実施に必要な機能が揃っているのが特徴です。
eventosとは?特徴や導入メリットについてプロが解説!2. EventHub(イベントハブ)

画像引用:EventHub公式サイト
揃った 国内発のオールインワンイベントプラットフォームです。
特に
・商談予約(1on1)
・視聴データの自動整理
・オンラインとリアル両方に対応
が強みで、「顧客体験」を重視したイベントを行いたい企業に向いています。
海外製ツールと比べてUIがわかりやすく、日本語サポートが充実している点もメリットです。
関連記事
EventHub(イベントハブ)とは?特徴、機能、事例、料金について解説3. ON24

画像引用:ON24公式サイト
ON24は、マーケティングオートメーションで、ウェビナーの配信からナーチャリングまで、1つのプラットフォームで行えるのが特徴です。
ウェビナーを開催しながら、細かくスコアリングすることでリード獲得やナーチャリングに生かせます。
ただし、年間契約にかかる費用が高額なので、予算が確保できるかの確認が必要です。
関連記事
ON24とは?特徴、費用、導入すべき企業について解説!ウェビナーマーケティングの事例3選
ウェビナーを活用した企業の成功例を紹介します。
ツールの選び方や運用方法によって、成果が大きく変わることがわかります。
1. 福祉機器Web2020(eventos)

リアル展示会の中止に伴い、福祉機器Web2020ではオンラインイベントとして開催されました。eventosのプラットフォームを活用し、ウェビナー配信や動画アーカイブ、出展企業の情報発信を一元管理。結果として、リアル展示会に参加できなかった層にもリーチでき、多くの新規リード獲得に成功しました。オンラインでの配信・データ管理・コンテンツの再利用が可能になった点も大きな成果です。
参考:eventos活用事例
2. カオナビ(EventHub)

カオナビでは、EventHubを活用してカンファレンス・ウェビナー運営を効率化しました。導入により、参加者のアンケート回答率が向上し、MarketoやSalesforceとの連携で運営工数も削減。さらに、ウェビナー経由で創出された商談は総商談の約40%にのぼり、オンラインイベントを通じたマーケティング効果が大きく改善されました。
参考:EventHub活用事例
3. Global Technology Firm(ON24)

グローバルなテクノロジー企業では、ON24を導入してウェビナーの定期開催を実現。以前は年4回程度の開催でしたが、ON24により月1回ペースでのウェビナー実施が可能になり、営業パイプラインの主要チャネルとして定着しました。テンプレート機能やCRM連携を活用することで、準備時間の大幅短縮とリード管理の効率化を両立し、ウェビナーを通じた商談化率の向上に成功しています。参考:ON24公式サイト
まとめ
ウェビナーマーケティングは、ポイントを押さえて実施することで、マーケティング効率を各段にアップできる手法です。成功のコツや失敗する理由を参考にしながら、計画を立ててみてください。効果的なウェビナーマーケティングを実施するには、プロに任せるのも一つの方法です。
弊社ビデオマッチングでは、ウェビナーマーケティングの企画や機材の手配、当日の運営までサポートを行っております。これまでには、官公庁や大手企業まで700社以上の配信をサポートしてきました。
ウェビナーの開催でお困りの方、不安やお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。